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6月16日、「Go To トラベル」という名前ではないものの、7月から「県民割」を全国の旅行で対象とし、新幹線や航空機など、公共交通機関を利用した旅行商品(パックツアー)に対しては補助金額を現在の上限である5000円から、8000円に引き上げることが発表された。
GoToの再開を目指して進めてきたものの、GoToに対しての国民のイメージはお世辞にもあまり良いとは言えず、これまでの枠組みを刷新して、「県民割」の延長とする形で似たような補助を出せる仕組みを検討したものと思われる。
詳しい内容は以下の記事で別に取り上げているので参考としてほしい。
よって、2022年6月現在、GoToトラベル事業の再開は未定となっている。
※ここから下の記載は2021年にGo To トラベルが再開される場合に想定されていた内容であり、今後再開される場合にこうなるとは限らないので注意が必要。
前回実施時とのGotoトラベルの制度の差について、以下の表にまとめてみた。
全体的に割引額が少なめになったのと、地域共通クーポンが旅行代金にかかわらず一律支給となったところが大きな変更点だろうか。割引上限額が交通付の場合と宿泊のみの場合で分かれており、交通付きの場合のほうが補助金が多くなるので、新幹線を使ったパッケージツアーには追い風だろう。
まず目につくのは、単純に1回の旅行あたりの補助金が引き下げられていること。
前回実施時には旅行金額の35%、最大14,000円もの割引が受けられていたが、それが旅行金額の30%に引き下げられ、割引上限額が14,000円から7,000円~10,000円へと引き下げられた。特に、宿泊のみのプランを利用する場合は前回比で補助金が50%カット(最大14,000円⇒7,000円)となるため、高額なプランを利用する場合には恩恵が少なくなる。
また、日帰りについても同様に、前回は最大7,000円だった補助金が今回は3,000円となっており、大幅に補助金がカットされている。
ただ、これは一部の人に偏って利用されていたという報道もあるように、より多くの人が利用できるように配慮した結果とも考えられる。
旅行先の都道府県(隣接県含む)で商品券として利用できる「地域共通クーポン」は、場合によっては大幅にカットされることになる。前回は、旅行の総額の15%分がクーポンとして配布されていたものの、今回は旅行日が平日か休日かにより、クーポンの金額は3,000円か1,000円で固定となる模様である。
平日に利用する場合は、一人当たり3,000円のクーポンを受け取れ、前回とさほど大きな差はないが、休日に利用する場合は1,000円と一気にカットされてしまう。休日に利用が集中することを避けたい思惑があるものと思われる。
Gotoの恩恵を受けるためには、「ワクチン・検査パッケージ」による感染症対策がおそらく必須になると考えられる。これは、ワクチン接種歴又は検査結果の陰性の結果を提示することで、その人が感染症対策を十分に実施しているということを証明する仕組みである。
これが実際にどの程度の感染症抑制に役立つのかは甚だ疑問ではあるが、制度上、Gotoの恩恵を受けるためには、これらの対策が必要となってくるということは念頭に置いておく必要がある。
肝心の、新幹線を使った旅行は安くなるか?ということだが、まだ今回のGotoに関する詳細な制度設計は発表されていないため、以下の記述は2020年実施の制度に則っている。
ただし、新幹線利用に関して大きく制度が変わるとも思えないので、今のところは恐らくこうなるだろうと思いながら読み進めて頂きたい。
個人的にエクスプレス予約やスマートEX等のインターネット予約できっぷを購入した場合、それはGotoトラベルの適用対象外となる。
新幹線だけの利用では原則として割引の恩恵はないが、宿泊を個人手配した場合は、宿泊分についてGotoトラベルを適用することが可能である。旅行商品を利用すると都合が悪い場合、例えば指定列車に乗車できるか分からない場合などはこの方法を使うのが良いだろう。
Go To トラベルキャンペーンは、基本的に旅行会社などで申し込んだ旅行商品が対象となる。旅行商品に対しては、新幹線などの交通費含む全額に対して割引が適用される。ただし、GoToトラベルの目的としては、旅行先にお金を落として経済効果を生む事が期待されているため、交通費のみの商品は対象外となる。
つまり、旅行会社経由の場合でも、新幹線の乗車券や特急券だけを購入したり、旅行商品の場合でも、「ぷらっとこだま」をはじめとする、実質「交通費のみ」の商品はGotoトラベルの適用対象外です。
このように、新幹線部分にもGo To トラベルキャンペーンの割引を適用しようと思った場合、新幹線と宿泊がセットになったプラン、または日帰り旅行において「新幹線」+「レジャー」を含むプランが対象となる。詳しくは、旅行商品を取り扱う旅行会社に問い合わせるのが確実だろう。
以上を踏まえ、新幹線を使った旅行をする場合に、Go To トラベルの割引を適用できるかを表にした。個人で新幹線を予約する場合と、新幹線も含めた旅行商品を予約する場合で、割引の対象が異なる点に注意が必要。
簡単に図の説明をすると、旅行会社で宿泊と新幹線がセットになったプランを申し込めば、最大10,000円の割引が可能(ただし旅行代金の30%を上限)。また、新幹線は個人で予約し、宿泊施設だけをGotoの対象となる宿を個人予約した場合は、最大7,000円の割引が可能(ただし旅行代金の30%を上限)となる。
GoToトラベルは、宿泊業者や旅行業者がキャンペーンへの登録申請を行い、承認された事業者の商品のみが割引の対象となることに注意が必要だ。
大手予約サイトから予約する場合は、予約画面からGoto適用の可否を確認できるため、予約前に必ず確認することが必要だ。また、個人で直接予約する場合は、予約先がGotoの対象であるかを、事前に確認しておく必要がある。対象となる事業者は以下のサイトに一覧があるため参考にして欲しい。
参考 https://biz.goto.jata-net.or.jp/Gotoトラベル 事業者向けサイト
東海道新幹線(JR東海)では、前回のGotoの際に、主にJR東海ツアーズによる旅行商品が販売されていた。
Goto事業が再開した際には、Goto対象の商品が販売されるものと思われる。
また、既に予約されている旅行に関しても、Gotoが再開され、Gotoの要件を満たす場合は、Gotoの適用が可能である旨が案内されています。
以下はJR東海ツアーズのサイトですが、東海道新幹線を利用して旅行を計画している人は要チェック。
山陽新幹線(JR西日本)でも、系列のJR西日本系列の「日本旅行」においてGoto対象の商品が販売されていた。
今回もGoto再開次第、対象の商品を掲載するとのこと。山陽新幹線の利用を計画している人は要チェック。
JR東日本エリアでは「びゅうトラベル」が、新幹線やJRを使ったお得なツアーを発売していた。
今回もGoto再開次第、対象の商品を掲載するとのこと。東北・上越・北陸などJR東日本管内の新幹線利用を計画している人は要チェック。
JR東日本では、前回のGotoトラベル実施時、Gotoにあわせて「お先にトクだ値スペシャル」が発売されていた。
これは、JR東日本のネット予約「えきねっと」専用で、特定の新幹線の運賃・料金が半額になるという商品でだった。ここまで書いてきたように、Gotoキャンペーンでは、新幹線単独の商品は割引とならないものの、JR東日本は新幹線単独の割引を独自に用意してくれていたので、今回も同様の商品が設定される可能性もある。
「えきねっと」で割引されたきっぷを購入するなら、以下の記事も参考にしてみてください。
ただし、お先にトクだ値スペシャルは、半額の割引は発売後すぐに売り切れ、購入するのは至難の業である。今回も同等の数量の発売なら、購入難易度は高いものと思われます。
目的地あるいは居住地への移動を目的とする移動では原則購入することはできない。ただし、前回実施時にはJR西日本が「自由周遊きっぷ」という旅行先で利用できるお得な乗車券を販売していた。
これは、旅行先の近辺のみどりの窓口のみで購入でき、エリア内のJRの普通列車(快速・新快速含む)に何度でも乗車できる、エリア限定のフリーきっぷだった。今回も発売される可能性があるため、利用したい場合は要チェックと言えるだろう。
ここまで、新幹線におけるGo Toトラベルキャンペーンへの対応などについて見てきたが、割引の条件は、旅行会社やホテル予約サイトを通じて予約することが原則だ。個人手配の新幹線は割引にならないことに注意する必要がある。
新幹線の単体での購入は基本的に割引はないが、新幹線とホテルとセットになった旅行商品においては、通常価格よりかなり抑えられた金額で新幹線での往復が可能で、さらにはホテル宿泊までついてくる。
旅行商品なので、乗り遅れたり変更の自由が利かない事には注意するべきだが、上手に利用できれば、活用しない手はないだろう。
新幹線に乗車する時間などが未定の場合など、新幹線は自分でインターネット予約、もしくは駅窓口で購入し、宿泊のみを旅行会社やホテル予約サイトで手配する場合、宿泊費用については割引対象となる。
セットプランと比較すると、旅行総額からの割引額は小さくなるが、直前の変更なども比較的柔軟に対応することが可能となるため、自由度は増す。
旅行会社を通した日帰りツアーは割引の対象となる商品もあるものの、単純に新幹線を個人手配した場合は割引の対象外となる。
ただし、Go To トラベルキャンペーンにあわせて発売されるJR各社の割引きっぷなどが登場することも予想されるため、新幹線の切符だけを割引価格で購入したい場合は、前述の通りJR各社のWebサイトなどをチェックするようにすると良いだろう。
言うまでもありませんが、旅行に行くのであれば新型コロナウィルスへの対策は当然の義務である。
新幹線を使って旅行をする予定があれば、以下の記事に「コロナ禍でのGo To」についてや、「新幹線の感染リスク」についてまとめてあるので、参考にしてほしい。
私が知りたかったのは
「地域共通クーポン」を利用し、旅先でのJR各社やその他鉄道及びバス等の運賃支払いまたは乗車券類を購入できるか
でした。
ご期待に沿えず申し訳ありません。9月30日付で、JR西日本では旅行先のエリア内で利用できるフリーきっぷを発売することを発表しています。他社も続くかもしれませんね。