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4月からの新生活、新たにパソコンを購入した人も多いのでは?
新しいパソコンなら快適!と思いきや、こんな症状に悩まされている人、いますよね。
- 電源ボタンを押してWindows10のデスクトップが表示されるまで待たされる
- デスクトップが表示されてからも反応しない、遅い
- とにかくすべての動きが遅い!
この症状が出ている場合、大抵の場合、ディスクの使用率が100%になっています。
ディスクの使用率と聞いて思い浮かぶのは、 パソコンの中に入っている、ハードディスクドライブ(HDD)またはソリッドステートドライブ(SSD) と呼ばれる記憶装置にデータを保存していき、ディスク容量がパンパンになったのをイメージする方が多いと思いますが、この場合は異なります。
(それはそれで良くない状況なので別途、改善してください)
ディスクの使用率が高いというのは、「ディスクの読み書きの頻度が高い」ということです。
よくあるたとえ話で、パソコンの中身は以下のように表現されます。
- メモリ⇒仕事机
- CPU⇒人間
- ディスク⇒本棚
- ディスク内のデータ⇒本
仕事をするためには、本棚(ディスク)から本(データ)を取ってきて、仕事机(メモリ)に広げ、その本に書いてあることを人間(CPU)が理解して仕事を行う。という流れになります。
本棚(ディスク)にはいろいろな種類があって、近い本棚(SSD)と遠い本棚(HDD)があります。近い本棚(SSD)なら、本を頻繁に取りに行ってもさほど時間はかかりませんが、遠い本棚(HDD)に仕事の都度その都度本を出し入れしていたら、机や人間の能力は余っているのに、本の出し入れだけに労力を使う状態になってしまいます。
この状態が、まさに「ディスク使用率が100%」という状態です。
HDDが「遠い本棚」という位置づけになる理由として、HDDはディスクが回転していてそれを読み取り機で読み取ります。つまり物理的な機械なので、コンピュータの処理時間としては非常に長い時間がかかります。
実際に、使っているパソコンが「ディスク使用率が100%」であることを確認する方法は簡単です。
タスクバーを右クリックすると、以下のようなメニューが出てくるので「タスクマネージャー」を選択します。

表示された画面で「パフォーマンス」タブを選択します。
そこで、左側の「CPU」「メモリ」「ディスク」「イーサネット」から「ディスク」を選択します。

何の画面かと思いますが、これは「ディスク使用率が100%に張り付いてしまったグラフ」です。つまり、ずっと100%の状態です。一方で、CPUやメモリは、極めて使用率は少なく、余裕がある状態です。最近のパソコンの性能は非常に上がっており、CPUが最も廉価なものであっても、Officeでの作業やWebブラウジング程度であれば大きな支障を来たすことは無いと言っても間違いありません。
しかし、ひとたびディスク使用率が100%に張り付いてしまえば、この状態のときは何をしても動きは非常に遅く、操作できたものではありません。
動作のボトルネックが「ディスク使用率」というのが一目で分かるので、動作の遅いパソコンをお持ちの方は、一度チェックしてもらうと良いかと思います。
ディスク使用率を下げるためには、HDDからSSDに変えて、いわゆるパソコンの「本棚」を、「近い本棚」に変えてあげることが根本的に解決する方法となります。
ちなみに、自分のパソコンのディスク装置が「HDD」なのか「SSD」なのかは、先ほどのタスクマネージャの画面上から知ることができます。
以下のように「HDD」と記載があれば、HDDとなります。

ディスク使用率が100%となる問題を解決しようとしたとき、様々なサイトでいろいろな解消法が紹介されています。
しかし、根本解決にはなりませんし、中には「Windows Updateを停止する」というとんでもないことをしれっと書いてあるサイトも多いです。リスクを分かったうえでやむを得ず停止することは止めはしませんが、最新のセキュリティパッチを当てない状態でWindowsをインターネットに接続するという事は非常に危険です。そして、よほどupdateが溜まっていたのでない限り大した効果はありません。
この問題を根本的に解決する方法は実際のところ2点しかありません。
1つ目が、SSDを搭載した新しいパソコンを買う事。(費用:50,000円~)
2つ目が、今のパソコンのHDDをSSDに交換する事。(費用:8,000円~)
1つ目は簡単なのですが、お金がかかります。当然です。5年そこらのパソコンであれば、先ほども述べたようにCPUやメモリはまだまだ現役で使えるので勿体ないと思います。
2つ目は少し難しくなりますが、今使っているパソコンのHDDをSSDに交換する。という方法です。こちらの方法であれば、SSDの部品代だけで済みます。安ければ5000円ぐらいからでもあります。
交換の方法についてこの記事では詳しく説明しませんが、チャレンジしている人は多く、お使いのノートパソコンの取扱い説明書に記載があることもありますし、「HDD/SSD/交換」などいったキーワードで検索すると、山のように方法が出てきます。メジャーなメーカーのパソコンであれば、型番で検索すると同じ事を試した人の記事などが出てくる可能性があります。
ただ、この作業はパソコンの改造にあたる可能性があるため、メーカー保証等が残っている場合で作業に自信が無い場合は、控えておいたほうが無難です。
まとめです。
ディスク使用率100%となってパソコンが遅くなる原因と、それを解消する方法についてここまで書いてきました。
パソコンが遅くなる原因として、HDDを利用することで、ディスクの読み書き速度が遅いことが原因なので、HDDではなく、SSDに何らかの方法で取り換えるという必要があります。
自ら部品交換の作業をすることに抵抗がないのであれば、部品代だけで済むSSDへの交換が、最もコストパフォーマンスは良いと思います。ただ、データの移行や作業中のミスによるパソコンの故障と言うリスクはどうしても付きまといます。最悪の事態に備えて、必要なデータのバックアップは必ずクラウドなどに取得したうえで、作業を行ってください。
どうしても自信がないということであれば、買い替えるか、我慢して使う…ということになります。
令和の時代になっても、安く見せたいがために、使い物にならないHDDを搭載したパソコンはまだたくさんあります。感覚的には、懐かしのWindows Vistaが登場したころに、推奨メモリ容量が2GB以上であるにも関わらず、大手メーカーが続々とメモリ容量512MBのパソコンを世に送り出していた頃と似ています。
パソコンも安いものには理由があります。安さだけに飛びつかず、スペックにもしっかり目を通して、使われているものがどのような性質のパーツなのかを把握して的確なスペックのものを選んだ方が、初期投資はかかりますが後々安くつくのかもしれません。