新幹線での新型コロナ感染リスクは?

東海道新幹線 2020年3月上旬の利用者が前年比56%減 JR東海の直面する「コロナ禍」はいつまで続くのか

コロナショックが止まらない。当サイトでも2月の3連休以降、アクセス数が激減しており、新幹線を利用して移動をする人が大幅に減っていることを身をもって実感できる状態となっています。そんな中、衝撃的なニュースが飛び込んできました。

東海道新幹線の利用者が56%減という衝撃

収益の柱の崩壊

報道によると、東海道新幹線の3月上旬(3月1日~9日)の利用者数は、前年同期と比較して-56%となり、これはJR東海が発足して以来の大幅な減少となっている。

これがどれほどの衝撃か。JR東海は、以前の記事でも触れたことがありますが、収益の大半を東海道新幹線に依存している会社です。JR東日本や九州のように、在来線だったり不動産収入だったりと、他に収益の柱を持っているわけではありません。良く言えば純粋な「鉄道会社」だったのですが、今回はその「柱」を根こそぎ折られたような形になりました。

ビジネス客の「自粛」が致命的になった

東海道新幹線は、東京~名古屋~新大阪という日本の中枢部を結ぶため、主にビジネス客が、平日は指定席を埋め尽くしています。

個人的にも出張でよく「のぞみ」を利用しますが、平日の午前中の上り列車と、金曜日を除く平日夕方以降の下り列車は、3人掛けのB席がチラホラ空いている程度で、8割以上座席が埋まっていることはそれほど珍しくはありません。金曜日の夕方はもちろん満席です。

しかし、2月から日本列島を「新型コロナウイルス」が本格的に襲う事になります。各企業では「出張を避ける」「テレビ会議」「テレワーク」という言葉が盛んに叫ばれるようになりました。

このようなビジネス客の「自粛」が、56%減という未曽有の数字をたたき出した事に、異論の余地はないでしょう。

コロナ自粛はいつまで続くのか

「自粛」は当面の間明けることがない

2月26日、安倍首相により「 大規模イベントの自粛要請 」が発表されました。これにより、コンサートやライブ、スポーツなどのイベントが軒並み中止・延期を余儀なくされる事態となりました。

同じく爆発的に感染が広まる季節性のインフルエンザと異なり、新型コロナウイルスには未だ有効なワクチンや特効薬はありません。インフルエンザであれば、例え罹患したとしても、一昨年登場した「1回飲めば効く」新薬「ゾフルーザ」により、多くの患者はすぐに症状が軽快するようになりました。入院もよほど重症でなければ必要なく、多少感染が広がったところで、医療現場に多くの混乱はみられないのが季節性インフルエンザです。

繰り返しになりますが、今回の新型コロナウイルスには、今のところ有効な特効薬はありません。つまり、感染の爆発が始まったら、あっというまに患者が病院に滞って医療が崩壊することは目に見えるのです。

今の日本は、日に日に増え続ける新型コロナウイルス感染者を横目に、真の危機である「感染の爆発」を防いでいる段階と言えるでしょう。そのような状況が続く以上、大規模イベントはもちろん。各企業では無闇やたらと社員を外出させるようなことはしないでしょう。つまり、当面の間は「自粛」ということになります。

コロナ自粛のその後、客足は戻るのか

コロナウイルスによって見直される日本人の「仕事」

日本人は「礼儀」を大事にします。仕事の中の「礼儀」の意味することは、客先に足を運び、対面で仕事をすることです。

それはそれで悪いことではないのですが、新型コロナウイルスの感染拡大が進む今、これらの仕事のやり方は、新型コロナウイルスの感染リスクを増やすとして、推奨されていない企業がほとんどかと思います。先ほども述べた「テレワーク」や「テレビ会議」など、極力外出を避けるにはどうするかという方法を懸命に考え、その整備を進めている企業が大半ではないでしょうか。そして、それらを使った仕事が思いのほか「回っている」と、感じ始めている人もいるでしょう。

そうなるとどうなるか。これまで資料のプレゼンの度に顧客のもとに足を運んでいたのが、「テレビ会議で」となるわけです。企業側としても、出張の費用は削減できる上に、移動時間が減って社員の仕事の効率が上がるのだから一石二鳥です。

これまでも「テレビ会議」や「テレワーク」は耳に挟んでいたものの、今回のコロナ騒ぎが起こるまでは、実際に運用してみるところまでいかなかった企業もあるでしょう。それが「やらざるを得なく」なり、結果的に各企業にそれらの基盤が整備されます。それが上手く回ったのであれば、コロナが終息したあとも「ぜひ活用しよう」という流れになるのは明白です。

JR東海のコロナ禍は、コロナウイルスが過ぎ去った後も

勿論、すべての出張が無くなるわけではないでしょうが、上で述べた通りの理由から、東海道新幹線の利用客数も、これまでのような右肩上がりで終わりが見えないような好調は脱するのではないかとみています。

収益のほとんどを東海道新幹線に頼るJR東海の正念場は、これからでしょう。

おまけ:2020年3月上旬の東海道新幹線のようす

2020年3月上旬の夕方、東海道新幹線の下りを利用しましたので、その時の車内の様子を載せておきます。普段とはまるで違う光景に唖然とするしかありません。

閑散とする東京駅のホーム
これは到着列車ではなく、間もなく出発する「のぞみ号」です
乗車直後
発車5分ほど前ですが、指定席には誰もいません
斜め前の様子ですが、誰もいません…
新横浜~名古屋間にて
新横浜~名古屋間
見える「他人の頭」は2つしかない…

日本が新型コロナの危機を脱し、新幹線にある程度の活気が戻るのは、いつになるのでしょうか…。

我慢の時は続きます。

1 COMMENT

名無し

ここ毎日コロナウィルス関連のニュースを目にしますが、これに伴ってやたらと目にするのは「当面の間」です。こればかりはまったく予測がつかないのが現状であり、まったく未知数なのです。現在5月6日まで緊急事態宣言発令中であり、仮に懸命の努力で最終日時点で解除になったとしても、すぐに元通りの生活に戻らないのです。なぜなら緊急事態宣言期間中に自粛努力して、それが良い結果に出たのならばそのまま続けるのが人間の本能でもあるわけです。当然ながらリバウンドもあり得るから、それを阻止するために続けることが現状ではないかと想定されます。それがいつまでになるか今の時点では予測つかないのです。それが「当面の間」なのです。解除後数日間なのか、ワンクール(四半期[季節を区分する3カ月間]※夏か秋頃まで)か、1年後なのか、はたまた数年後なのか、もしかすると永遠に続くかもしれません。

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