本記事に記載されている「ひかりレールスター」は、新型コロナウイルスによる需要減のため、すべて運休となりました。残念…。
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過去の記事でも取り上げていますが、山陽新幹線には定期の「ひかり」の他にも、多客期などには臨時のひかり号が運転されることがあります。この臨時の「ひかり」は、車種や運行体系が毎回特徴があり、いつも臨時列車が発表となるタイミングでは、時刻表を眺める楽しみが増えます。
今回はなんと、絶滅寸前の「ひかりレールスター」が、上り下りあわせて3列車運転されるとのことで、まとめてご紹介します。
いきなり「671号」という、「列車番号の規則を無視して空き番にねじ込みました」感のある番号が出てきました。山陽新幹線完結の臨時「ひかり」は、基本的に590番台か、臨時「さくら」と共用で570~580番台を使用することが多いのですが、この列車については、並行する「さくら575号」と比較して、新下関駅への停車がないことから、別の番号を充てたものと思われます。
この列車は、5月3日のみ運転されます。
この「ひかり671号」は、新大阪を出ると新神戸、岡山、福山、広島と「のぞみ」並みの停車駅で山陽路を西へ向かっていきます。途中、福山で3分退避でのぞみ79号(品川始発)を退避しますが、新大阪~広島間を1時間36分で結び、それなり速達です。
しかしその後、徳山で17分の退避があり、新山口にも停車して最終的な博多到着は11時19分と、3時間10分ほどかかります。よって、新大阪~博多間の通し乗車を想定しているというよりは、新大阪~岡山や新大阪~広島といった短距離・中距離の乗客の救済を目的とした臨時列車のように思われます。なお、目的地が小倉か博多なのであれば、広島駅で4分後に接続する「のぞみ1号」に乗り換える事が可能です。
のぞみ1号も、広島~博多間であれば空席があると思うので、ラッチ内乗継による指定席確保も有効かと思います。(ラッチ内乗継に関しては、以下の記事を参考にしてください。)
8:09発
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「ひかり599号」は、新大阪を出ると新神戸、姫路、岡山、広島、新山口、小倉と、こちらも「のぞみ」並みの停車駅で山陽路を西へ向かっていきます。途中、姫路で11分退避しますが、新大阪~広島間を1時間43分で、新大阪~博多間を2時間54分と、博多までの通し乗車でもなんとか。といった感じでしょうか。
列車番号は、規則に合った番号が採番されています。その理由としては、並行して「さくら599号」が設定されており、博多までの停車駅や所要時間が全く同じためと思われます。
さくら599号はN700系での運転ですが、700系のレールスターでも運転できるようなタイムテーブルで臨時ダイヤが引いてあるという事でしょう。
この列車は、下りのピークが予想される5月2日のみ運転されます。
この列車は姫路駅で11分退避し、のぞみ23号とのぞみ149号(いずれも博多行)を退避します。特筆すべきはその後で、岡山に停車したあとは、次の停車駅は広島です。つまり福山駅を通過します。
福山駅を通過する「ひかり」はかなりレアで、並行するさくら599号も福山を通過します。上り方向では、この後紹介する「ひかり598号」が、福山を通過します。
2020年3月改正で、「さくら」の定期列車は全て福山に停車するようになったのですが、この「ひかり598号」とダイヤを共有する「さくら599号」だけは通過するため、福山駅を利用しようと考えている方は注意が必要です。
12:32発
12:44着
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「ひかり598号」は、博多を出ると小倉、広島、岡山と、「みずほ」並みの停車駅で東へ向かって爆走します。岡山までは最小停車駅数であり、「のぞみ」の退避もありません。
岡山を出た後は、姫路、西明石と停車し、西明石で後続の「のぞみ154号」と「のぞみ30号」を退避します。よって、博多~西明石までは最速の列車となり、停車駅から考えても博多・小倉・広島から姫路・西明石までの乗客にとってはこれ以上ない最高の列車と言えそうです。特に西明石は列車の本数が少なく不便なため、この臨時列車は大いに役に立つと思われます。
また、この列車と別の列車をラッチ内乗継の組み合わせで利用して新神戸以東へ行く場合は、岡山で後続の「のぞみ154号」が10分の接続時間で利用できます。
列車番号は、規則に合った番号が採番されていますが、こちらは並行する「さくら」は設定されていません。ただ内部的には、「さくら598号」が設定できるようになっているため、この番号が採番されているものと思われます。
この列車は、上りのピークが予想される5月4日から6日のみ運転されます。
ひかり598号の所要時間は博多⇒新大阪が2時間50分、博多⇒岡山は1時間45分で、後続の「のぞみ30号」が、同区間を1時間44分であることを考えると、博多から岡山、姫路、西明石までの区間に限れば最速達列車であると言えます。
そして、小倉⇒広島、広島⇒岡山で途中停車駅無しということは、レールスターの本気の走りが見られるのでは?ということです。
定期列車では「ぬるい」走りしか要求されない「ひかりレールスター」ですが、GWの臨時列車では、久々に本領発揮となりそうです。
12:21発
12:37着
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13:27着
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14:05着
14:06発
14:27着
14:27発
14:38着
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ここまで、2020年のGWに運転される「ひかりレールスター」について見てきました。レールスターがここまで臨時列車、かつ速達列車に充当されるのは、ここ数年では珍しいことのように思えます。
3月には兄弟車である700系16両編成が、東海道新幹線から姿を消しました。ひかりレールスターに使われる700系8両編成も、いつまで残るかは現時点では分かりませんが、導入時は「ひかりレールスター」の運用でかなり酷使されており、今後のN700Sの導入次第では、廃車が進んでくることもありそうです。
コロナ禍で厳しい中ではあるのですが、もし状況が好転するようなことがあれば、今年のGWはレールスターを使って旅に出るのも良いかもしれません。