台風が接近すると、大雨や暴風などの理由により、新幹線が安全に運行できなくなります。このため、JR各社では台風の状況により列車の運転を判断し、時には列車を運休することがあります。
台風が接近して旅行を中止あるいは予定を変更する場合は、きっぷを購入した場所に応じて手続きが必要です。後日の列車に勝手に乗車する事はできません。
しかし、台風が接近していたとしてもJR各社から案内が掲出されていない場合、原則として列車は運行するものと考えてください。実は運行していたのに自己判断で払い戻しや変更の手続きを怠ると、一切の返金が受けられなくなる可能性があります。
この記事では、台風が接近した場合にどのような手続きがあるかを説明した上で、それぞれの詳細なケースについて説明していきます。
目次
台風接近時にどのような手続きが必要か?
旅行を完全に中止する場合は、駅窓口で購入したきっぷは駅窓口で。インターネット購入であれば予約サイトで、購入した乗車券類の払い戻し手続きを行なってください。
払い戻しに係る案内の掲示の有無により、払い戻し手数料が必要かどうかが変わります。
旅行会社で購入した旅行商品(ぷらっとこだまの乗車票)などは、払い戻し等にあたって条件や制約があることがほとんどなので、払い戻しについては必ず購入した旅行会社等に確認するようにしてください。
駅窓口では対応ができないことがあります。
台風の影響が本格的に出てきて運休や遅延が頻発している際、新幹線駅はたいてい混乱に陥っていて窓口は長蛇の列ということがほとんどです。
よって、JR線の駅窓口で購入した乗車券類の払い戻しは、運休および2時間以上の遅延が発生した日から1年間、JR線のどの駅でも受け付けてくれるので、後日改めて払い戻し手続きをする方がスムーズな可能性があります。
旅行を中止するのではなく、予定を変更する場合についても、購入した乗車券類の変更が必要です。払い戻しに係る案内の掲示の有無により、乗車変更扱いとなるかどうかが変わります。
これは後ほど説明しますが、JRの乗車券類は原則として一度のみ、無手数料で変更を行うことができます。これを「乗車変更」と呼びますが、一度乗車変更をしてしまうと、次に変更したい場合にはいったん手数料を支払って払い戻しをする必要があります。
払い戻し等に係る案内が出ている場合には、乗車変更扱いとならずに変更することができるので、台風により予定を変更した後でも、さらにもう一度乗車変更を行うことが可能となります。
台風の影響が出はじめる前に乗車・払い戻し・変更の判断をするケース
この項で紹介するのは台風が接近・上陸する前日までに乗車するか払い戻しをするか判断するパターンとなります。
原則として通常運転中であるため、案内文が掲示されていない限り払い戻しには所定の手数料が必要となり、乗車変更の回数にもカウントされてしまいます。
この場合は特に何もする必要はありません。
当日に駅で運休となっていることが分かった場合には、旅行中止として無手数料による払い戻しか、別日や別の列車に乗車変更扱いとならずに変更することが可能です。
台風接近が分かっているので、予め列車を変更する場合です。
JRの乗車券や特急券類は、乗車変更として原則として1回に限り、無手数料で別の列車に変更することが可能ですので、そのルールに則り変更することが可能です。
ただし、変更は変更後の列車の座席に空席がなければ変更することはできません。また、台風が接近しているとはいえ、計画運休などの案内が出ていない場合は、通常の乗車券・特急券の変更ルールが適用されます。
予約している列車が計画運休の対象となっている場合は、乗車変更扱いにならずに乗車券類の変更を行うことが可能です。また、通常の乗車変更は一度きりですが、この場合は既に一度変更をしている場合でも、列車の変更が可能です。
台風接近が分かっているので、予約を払い戻しする場合です。
台風が接近しているとはいえ、計画運休の案内が出ていない場合は、通常の乗車券・特急券の払い戻しルールが適用されますので、通常通り手数料を収受しての払い戻しとなります。
乗車前日になると、指定席の払い戻し手数料は料金の30%となりますので、事前に予定を中止することが明らかなのであれば、2日前までに払い戻しをしておくと良いでしょう。
予約している列車が計画運休の対象となっている場合や、無手数料による払い戻しを行う旨の案内が出ている場合は、無手数料で払戻しを受けることが可能です。
台風の影響が出始めてから乗車・払い戻し・変更の判断判断をするケース
台風の接近・上陸当日に判断するケースです。
予約した列車が予定通り運転している場合は、通常通りの取り扱いとなりますが、運行中に遅延や運転打ち切りが発生する場合があります。
列車の到着が2時間以上遅延した場合や、運転が打ち切りとなった場合は特急料金が払い戻しとなります。(遅延のみであれば、グリーン料金は払い戻しとはなりません)
また、運転打ち切りに伴って出発駅へ戻る場合は、運賃・料金がいずれも払い戻しとなります。ただし、出発駅へ戻らずに、出発駅から到着駅のどこか中間駅で降車する場合は、中間駅までの運賃は必要です。
指定席の場合、乗車した列車の特定が容易なので、列車が延着したかどうかが簡単に判別可能です。
降車駅で自動改札機に通すと、遅延していた場合は特急券に「遅払証」という赤色の印字がされ、自動改札機から戻ってきます。
この特急券を1年以内にJRの窓口に持っていくと、特急料金の払い戻しが受けられます。
自由席はどの列車に乗車していたかが分からないので、遅払証印字がされずに自動改札機から出てきません。
その場合、到着駅で払戻し証明を受けておく必要があります。どの列車に乗車したかを着駅で申し出ることで、証明を受けられます。証明を受けた後は、1年以内にJRの窓口で特急料金の払い戻しを受けてください。
遅延した列車にそのまま乗車する場合は、特に手続きは必要ありません。指定された列車に乗車してください。
到着時刻が2時間以上遅延した場合は、特急料金の払い戻しが受けられますので、前項の遅延が発生した場合に準じた取り扱いとなります。
遅延の影響により、予定より前の列車に乗車したい場合は、駅窓口か車内で申し出てください。空席があれば、空席に案内可能な場合があります。詳しい取り扱いは、駅係員に確認してください。
無手数料での払い戻しか、乗車変更扱いにならずに乗車券類の変更を行うことが可能です。
また、通常の乗車変更は一度きりですが、この場合は既に一度変更をしている場合でも、列車の変更が可能です。
エクスプレス予約・スマートEXによる予約をしている場合
エクスプレス予約の場合は、きっぷ(IC乗車票含む)を受け取っているかそうでないかで手続きが変わります。また、EXアプリ限定で、6月のアップデートにより、「所定時刻を過ぎた列車の予約」が可能となっています。
これは、遅延が無かった場合には既に発車時刻を過ぎているが、遅延しているために実際はまだ発車していない列車を予約することができる機能です。
エクスプレス予約にログインした直後の画面に、緊急のお知らせが掲載されている場合は、特殊取り扱いが行われています。変更・払い戻しは以下参考サイトをを参照してください。
エクスプレス予約は変更回数に制限がないので、通常の変更と同じです。
初回予約日から3か月を過ぎてしまう場合は、払い戻しが必要になります。ただし特殊取り扱い中であれば、無手数料による払い戻しとなります。
エクスプレス予約のお知らせを参照して取り扱いをしてください。
お知らせが掲載されていない時に払い戻しをすると、通常通りの手数料が必要となるので注意してください。
きっぷ受け取り後は、エクスプレス予約からの変更が一切できなくなりので、変更や払い戻しは通常の紙のきっぷに準じた取り扱いとなります。
注意するべきは、エクスプレス予約のきっぷ受け取り後の対応は、JR東海・JR西日本・JR九州いずれかの窓口でしか取り扱いができません。
例を挙げると次のような場合に扱うことが想定されます。
新大阪駅にて、山陽新幹線から直通する列車が遅れています。
ダイヤ乱れの影響で、新大阪12:10始発ののぞみ344号は満席となっていますが、60分遅れていて、12:04頃新大阪を発車予定ののぞみ14号には、空席があるようです。しかし今までは、こののぞみ14号は、所定時刻を過ぎていたために予約ができませんでした。EXアプリ限定で、この遅れている「のぞみ14号」の予約ができるようになった、ということです。具体例を以下の通り示します。
現在時刻:12:00
のぞみ14号東京行 所定11:04発 空席・・・○ 遅れ約60分
のぞみ344号東京行 所定12:10発 空席・・・×
初心者さん
駅員X
初心者さん
駅員X
少しややこしいですが、公式の案内については以下を参照してください。
参考 乗車駅の所定発車時刻を既に過ぎているがまだ乗車駅を発車していない列車を、新規に予約したいJR東海
台風接近時のきっぷの取扱いには注意が必要
ここまで、台風接近に伴う購入済みの新幹線のきっぷの取り扱いについてまとめてきました。
台風が発生・接近する可能性が高くなってくると、JR各社からは事前に計画運休の案内や、無手数料での払い戻し手続きについての案内が発表されますので、十分に確認したうえで手続きを行うようにしてください。
また、現在発生している台風がある場合は、以下の記事でも最新情報を紹介していますので参考にしてください。