新幹線での新型コロナ感染リスクは?

東海道新幹線に「ぷらっとのぞみ」なる割引商品が登場!しかし実態は…

ぷらっとのぞみは、2021年3月31日をもって発売終了となりました。過去の内容となりますので注意してください。

「ぷらっとのぞみ」とは

「ぷらっとのぞみ」は、JR東海ツアーズがWeb限定で発売する商品で、東海道新幹線「のぞみ」を割引料金で利用できるものだ。通常、「のぞみ」を割引料金で発売することは少ない東海道新幹線だが、コロナ禍による需要の低迷により、「のぞみ」の割引に手を付けることになった形である。

「Go To トラベル」の東京解禁という東海道新幹線にとって明るいニュースもあり、少しでも利用者を確保したい思惑もあるのだろう。

というわけで、「ぷらっとのぞみ」について、通常料金やエクスプレス予約等との料金比較を中心に見ていきたいと思うが、結論から言えば「ぷらっとのぞみ」は、あまりお買い得な商品ではない。理由については結論の部分にまとめている。

「ぷらっとのぞみ」の利用区間は?

東京、品川、新横浜、名古屋、京都、新大阪の「のぞみ」が停車する駅相互の利用が可能だ。ただし、購入時に指定した区間や列車以外の利用はできない。(ただし、東京・品川が発着の場合、東京または品川での乗降が可能。)

「ぷらっとのぞみ」の発売日と発売期間は?

東海道新幹線2020年10月1日乗車分から2021年3月12日出発分まで購入、使用することができる商品で、発売開始は2020年 9 月17 日(木)5:30 からが予定されている。ただし、店舗で購入することはできず、Web限定となるため、クレジットカードが必須だ。

「ぷらっとのぞみ」はどれくらいお得か?

「ぷらっとのぞみ」は、どのくらい割引になるのだろうか。東京~名古屋・新大阪間を比較してみる。

なお、すべて通常期の料金との比較である。ただし、JRの繁忙期と、「ぷらっとのぞみ」の繁忙期は異なるので注意が必要。詳細は以下ページの資料を参照してほしい。

「のぞみ号普通車指定席」と「ぷらっとのぞみ」の比較について

まずは、駅窓口で普通に購入する普通車指定席(のぞみ利用時)と、「ぷらっとのぞみ」を比較してみる。普通車指定席と比較すると、およそ1000円~2000円程度割安だが、「ぷらっとこだま」と比較すると、およそ1500円~2000円程度割高になるようである。

東京~名古屋間の比較(対普通車指定席(通常購入))

  • のぞみ普通車指定席(通常期):11,300円
  • ぷらっとのぞみ(通常期):10,000円
  • ⇒1,300円 ぷらっとのぞみがお得
  • (参考)ぷらっとこだま(通常期):8,500円

東京~新大阪間の比較(対普通車指定席(通常購入))

  • のぞみ普通車指定席(通常期):14,720円
  • ぷらっとのぞみ(通常期):12,700円
  • ⇒2,020円 ぷらっとのぞみがお得
  • (参考)ぷらっとこだま(通常期):10,700円

「のぞみ号普通車自由席」と「ぷらっとのぞみ」の比較について

次に、駅窓口で普通に購入する普通車自由席と、「ぷらっとのぞみ」を比較してみる。普通車自由席と比較すると、およそ500円~1000円程度は割安となるが、指定席と比較すると差は縮まる。コロナ禍ということもあり、自由席の乗車率も高くないようなので、500円程度のために旅行商品を買わずとも自由席で十分。という考えもあるかもしれない。

東京~名古屋間の比較(対普通車自由席(通常購入)

  • のぞみ普通車自由席:10,560円
  • ぷらっとのぞみ(通常期):10,000円
  • ⇒560円 ぷらっとのぞみがお得
  • (参考)ぷらっとこだま(通常期):8,500円

東京~新大阪間の比較(対普通車自由席(通常購入))

  • のぞみ普通車自由席:13,870円
  • ぷらっとのぞみ(通常期):12,700円
  • ⇒1,170円 ぷらっとのぞみがお得
  • (参考)ぷらっとこだま(通常期):10,700円

「スマートEX」と「ぷらっとのぞみ」の比較について

次に、クレジットカードを登録すればだれでも利用できるスマートEXサービスと「ぷらっとのぞみ」を比較してみる。スマートEX自体が、ほぼ通常購入に近い価格帯なので、結構な差額となる。

東京~名古屋間の比較(対スマートEX)

  • スマートEXサービス:11,100円
  • ぷらっとのぞみ(通常期):10,000円
  • ⇒1,100円 ぷらっとのぞみがお得
  • (参考)ぷらっとこだま(通常期):8,500円

東京~新大阪間の比較(対スマートEX)

  • スマートEXサービス:14,520円
  • ぷらっとのぞみ(通常期):12,700円
  • ⇒1,820円 ぷらっとのぞみがお得
  • (参考)ぷらっとこだま(通常期):10,700円

「EX-IC」と「ぷらっとのぞみ」の比較について

最後に、会員専用のEX-ICサービスと、「ぷらっとのぞみ」を比較してみる。普通車指定席と比較すると、ぐっと金額差が縮まる。せいぜい1000円の差なら、いつでも変更できるEX-ICサービスに分があるように思える。

東京~名古屋間の比較(対EX-IC)

  • EX-ICサービス:10,310円
  • ぷらっとのぞみ(通常期):10,000円
  • ⇒310円 ぷらっとのぞみがお得
  • (参考)ぷらっとこだま(通常期):8,500円

東京~新大阪間の比較(対EX-IC)

  • EX-ICサービス:13,620円
  • ぷらっとのぞみ(通常期):12,700円
  • ⇒920円 ぷらっとのぞみがお得
  • (参考)ぷらっとこだま(通常期):10,700円

「ぷらっとのぞみ」の注意事項について

「ぷらっとのぞみ」は、JRのきっぷではなく、JR東海ツアーズが発売する「旅行商品」であるため、通常のきっぷとは払戻や変更などの取扱いが異なる。旅行商品について気を付けるべきことは、以下の「ぷらっとこだま」のページにまとめている点と同じである、気になる方は参考にしてほしい。

「ぷらっとのぞみ」は「買い」なのか?

単に安く乗りたいだけならあまりおすすめはしない

コロナ禍という事態で発売されることとなった「ぷらっとのぞみ」だが、実態としては「いまいち」な商品であることが拭えない。

最初に商品の名前を見た時は、思い切って「ぷらっとこだま」と同等の料金で「のぞみ」を利用できるにしたのかと思いきや、全然そんなことはなかった。EX-ICよりもわずかに安い点は評価できるが、「ぷらっとこだま」と同じく、以下のデメリットが目立つような気がする。

  • 変更不可
  • 乗り遅れ救済なし
  • キャンセル料は10日前から

このデメリットは正直強烈なもので、例えば乗り遅れた場合には、原則いかなる理由でも乗車券部分含めて全てが無効となるという、通常のきっぷでの購入やエクスプレス・スマートEXサービスには無いものだ。そのデメリットを補って余りあるのが、「ぷらっとこだま」の安さなのであって、「ぷらっとのぞみ」程度の割引でこれらのリスクを背負うのは正直得策ではないと思った。

また、「ぷらっとこだま」は、クレジットカードを持たない・持てない人。例えば学生などが、「こだま」でもいいから安く東海道新幹線に乗りたいというニーズに合致しているため、JR東海ツアーズのロングセラー商品として今もなお人気であり続けている。しかし、「ぷらっとのぞみ」は、クレジットカードによるオンライン決済にしか対応していないため、それらのニーズを満たしきれない。クレジットカードが使えるなら、エクスプレス予約かスマートEX内の割引商品(EX早特21など)を利用した方が安全だろう。

また、コロナ禍において、「自由席」はほとんどがガラ空きだ。自由席を利用したとしても、席にありつけないことはまず無いだろう。指定席料金のほぼ不要なエクスプレス予約会員を除いて、積極的に指定席を使う理由はないのだが、自由席を使った場合。「ぷらっとのぞみ」とほとんど価格差がないことは上に書いた通りである。

これらの理由から「ぷらっとのぞみ」は、コロナ禍における商品としては、正直いまいちな商品デザインであることは否めない。「安い」ことに誤りはないが、「そこまで安くはない上に、ハイリスク」な商品であることを念頭に利用するようにしてほしい。

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