新幹線は定時性に優れた素晴らしい乗り物であることを当サイトでは遺憾無くアピールしているところです。
しかし、新幹線に接続している乗り物は、そうではありません。在来線や私鉄、バスなどは、路線にもよりますが逆に遅れていない方が珍しい、ということもあります。
まだJRの在来線がやむを得ない理由で遅れたとかであれば、多少の接続待ちは考慮してくれることもあるようですが、JRとは関係ない私鉄が遅れたり、バスの交通渋滞での遅れに関しては、当たり前といえば当たり前ですが、JRは完全ノータッチの立場をとります。
この記事では、これらの理由によって、不幸にも指定した新幹線に乗り遅れた場合の対処について紹介します。
目次
指定された列車に乗り遅れた場合の大原則
旅客営業規則が定めるところによると、新幹線特急券で座席が指定されているものに関しては、列車出発時刻以降は効力を失います。旅客営業規則にもそのルールははっきりと書かれています。
(急行券が無効となる場合)
第174条
急行券は、次の各号の1に該当する場合は、無効として回収する。~~~~~~~~中略~~~~~~~~
(9)指定急行券を指定以外の急行列車(未指定特急券にあっては、その券面に指定された列車群に含まれない特別急行列車)、旅客車又は座席に使用したとき。
■第2編 旅客営業 -第4章 乗車券類の効力 -第3節 急行券の効力
これが何を意味するかというと、原則では乗り遅れた時点で、あなたの手持ちの新幹線特急券は何の効力もないただの紙切れに成り下がり、それを使って乗車したとしても、その特急券は無効なので回収しますよ。という事です。
後述の理由から、このような強硬な対応を取られることはほぼないのですが、このような対応を取られたとしても、文句を言うことはできないのです。
自由席は、有効日内の列車であれば、どれに乗車しても構わないため、基本的には乗り遅れはありません。ただし、有効期間は1日なので、別の日に使うことはできません。つまり、終電を逃したらアウトということになります。
ただし、この規則を厳密に適用するとあまりにも厳しく、本当にやむを得ない理由から指定した列車に乗車できなかった人からクレームがあることは目に見えています。また、東海道新幹線のように最短3分間隔で特急列車(新幹線)が発車しているような路線では、誤乗も頻繁に発生することでしょう。
そのため、乗り遅れた場合は後続の列車の自由席であれば、特別に乗車してもよい、という救済措置があります。
ただ、無条件に救済があるわけではなく、救済のないこともありますので、まず、どのような場合に救済が受けられないのかを説明していきます。
参考 第2編 旅客営業 -第4章 乗車券類の効力 -第3節 急行券の効力JR東日本
残念ながら救済措置がない場合
まず最初に、救済措置がない場合について説明します。
終電に乗り遅れた場合、残念ながら救済措置はありません。
新幹線に乗車する場合、乗車券は長距離となることが多く、だいたい有効期間が数日ありますので1日くらい過ぎたところで有効な場合が多いのですが、特急券の救済措置は当日限りですので、翌日の始発列車に乗る場合でも、特急券の買い直しが必要となります。
仮に東京〜名古屋間であれば、特急券の料金は自由席でも4000円強となります。痛いですね…。最終列車には絶対に乗り遅れないようにしましょう。
「ぷらっとこだま」などの乗車票(旅行商品)や、EX早特21などの割引額が大きな商品は、大抵の場合、乗車変更が不可となっています。この場合、券面には「指定列車以外不可」とかの文言が書いてあり、乗車券のみ有効やら乗車券、特急券が別途必要とか商品ごとに定められた細かいルールが書かれています。
EX早特などエクスプレス予約やネット予約の商品であれば、予約を変更することで、早特こそ適用されなくなりますが、被害額は少なく済みそうです。
しかし、ぷらっとこだまなどの乗車票は紙ですので、乗り遅れそうになったときにも変更する術はないうえ、救済もありません。駅で乗車券、特急券を買いなおすことになります。参考までに、「ぷらっとこだま」の乗り遅れについてのQAがあったので、参考に貼っておきます。
参考 【ぷらっとこだま】交通機関の遅延などにより指定列車に乗り遅れそうな場合、どうしたらいいですか。JR東海ツアーズ
乗車票で乗車する旅行商品系は、他にも山ほど商品があるためすべてについて説明することはできませんが、後続列車の利用可能という意味の言葉がなければ、救済措置はありません。購入する前に、しっかり商品の特性について理解しておくことが必要です。
わからなければ、駅の人に聞きましょう。
救済措置の利用のしかた
ここでは実際に乗り遅れた場合、どのように救済措置を利用するかについてを説明します。
これら3路線を走る列車には、必ず自由席が設定されています。後続列車の自由席に乗り、検札の際に、車掌に乗り遅れた特急券と乗車券を提示してください。
東北新幹線の「はやぶさ」や「はやて」と、北陸新幹線の「かがやき」には自由席車両がありません。この場合は、立席でデッキなどなら乗車することができます。
また、座席に空席があれば、手持ちの特急券を自由席特急券とみなし、指定席特急券との差額を支払うことで、指定席に着席することも可能です。
乗り遅れた時の払い戻し(返金)
新幹線に乗り遅れたため、旅行を諦め払い戻しを行う場合です。
払い戻しを受けられるのは有効期間内の乗車券のみで、特急券は指定された出発時刻以降は払い戻しが受けられません。
自由席相当の払い戻しもありません。旅客営業規則に従うと、紙切れになっている特急券なので、仕方ないのでしょう…。
まとめ:乗り遅れても基本的には救済措置がある
ここまで、予約した新幹線に乗り遅れた場合の対処について説明してきました。
基本的には後続の自由席に乗車して目的地まで行けるような場合が多いのですが、終電だったり旅行商品や割引きっぷだったりすると、救済が受けられないこともあります。
せっかく買った指定席に乗れないとあなたも悲しいかもしれませんが、せっかくの座席が一つ無駄になってしまうこともあります。
座席の数は限られており、満席であればなおさら勿体ない話ですので、無駄にしないように早め早めに行動を心がけていくようにしたいところです。