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普段から新幹線をあまり使わない場合、指定席料金が高いという先入観に捉われていないだろうか。私の周りには意外とそのような先入観を持った人がいて、新幹線は自由席で並ぶのがポリシーとまで豪語していた。
好きならばそれはそれで良いのだが、絶対に座りたいという思いがあるのであれば、指定席を使った方が精神衛生上にも絶対に良いはずだ。
新幹線の指定席料金はたったの530円が基本であり、首都圏の通勤ライナーと同レベルの料金で、座席が確保できるということをご存じだろうか。
新型コロナウイルスの影響もあり、自由席にも余裕があるのが現状だが、座れるか座れないかをヤキモキしながら考えるより、530円を支払って安心しておいた方が良いと感じたので、記事にしてみた。
ただし、「のぞみ号」を利用する場合は、別途距離により210円~640円の加算があるため注意が必要である。
また、JRが指定する「繁忙期」および「閑散期」だと、前者は200円の加算、後者は200円の減算となる。
このあたりがややこしさに拍車をかけ、食わず嫌いのような状態で先入観がなかなか払拭されていないのではと感じる。
これも勘違いしている人がいるのだが、乗車する距離と指定料金は、原則として関係がない。関係があるのは、距離に比例する特急料金であり、これは自由席であろうが同等に必要な金額である。ただ、複数の列車を乗り継ぐ場合は、そもそも指定する列車が違うため、列車毎に料金がかかる。例外として新幹線の場合、一旦降車して改札を出ずに後続の列車に乗り換える場合は、指定料金は一列車分しかかからない。たとえば、東京から米原へ向かうために、東京から「のぞみ号」に乗車し、名古屋で降りて「こだま号」に乗り換えるような場合である。
恐らく新幹線の指定席が高いと思われている元凶の一つが、1992年より運行を開始した「のぞみ号」の「のぞみ料金」である。「のぞみ号」の速達サービスに対する料金として、指定席料金とともに収受される。
ややこしいことに、こちらは乗車する距離に比例して料金が上がるので注意されたい。
(距離に応じて210円~640円)
当時は、「のぞみ料金」だけで東京~新大阪で950円を取っていた時代もあったが、今では随分安くなり、東京~新大阪間の「のぞみ料金」は、320円である。これに指定席料金を加算すると、850円である。
JR線には、通常期、繁忙期、閑散期という3つの期間が設定されている。その中でも、通常の料金より値上がりするのが繁忙期であり、主に学生の長期休暇やGWなどの多客が予想される時期に設定されている。
ただし、飛行機のように万単位で金額が上がるわけではなく、繁忙期であっても200円の加算だけなので、東京~新大阪間を、のぞみ号で繁忙期に指定席を利用した場合の加算料金は、530円+320円+200円=1050円である。
ここまで見てきたように、「絶対に座って行きたい」場合には、東京~新大阪であれば、最大で1050円の出費となる。しかし、全体の運賃・料金からみればほんの10%にも満たない金額であり、東京~新大阪間の2時間30分を自由席争奪戦に負けて、立ちんぼで移動する苦痛の方が、よほど大きいように思えるのだがどうだろうか。
東海道・山陽新幹線をよく利用する方なら、エクスプレス予約会員(年会費1000円+消費税)となれば、指定席料金、のぞみ料金を気にせずに新幹線を利用できる。ただし、年会費と専用のクレジットカードが必要となるため、ヘビーユーザーでないと使いにくいかもしれない。詳しくは以下の記事に書いている。