新幹線での新型コロナ感染リスクは?

サービスエリアの名物ジャンクフード「じゃがベー」を見なくなった件

夜中の高速道路で小腹を満たした思い出の品「じゃがべー」

オレンジ色のナトリウム灯が煌めく深夜の高速道路は、当時子どもだった私にとってはとてもワクワクするものだった。とっくに普段寝る時間は過ぎているのに寝付けず、行き交う多くの車と立ち並ぶ夜のビル群を助手席から眺めていた…のは、もう30年ほど昔の話になる。

今でも深夜の高速道路(特に都市部)なんかでワクワクするのは変わらないし、高速道路も新たな路線は山ほど開通したが、道路そのものは大きく変わるものではない。ただ、一つだけ変わってしまったものがある。

それは「じゃがべー」を高速道路で見なくなってしまったのでは?という疑問だ。

「じゃがべー」とは何?

あいにく、記事に掲載できそうな写真がないため、どう紹介しようかと途方に暮れていたが、なんとWikipediaに掲載されていた。詳細はそちらを見て貰えばいいが、簡単に説明すると「小さめのジャガイモを3つ串刺しにして、ジャガイモとジャガイモの間にベーコンを挟んで衣を付けて揚げた食べ物」である。

参考 じゃがべーWikipedia

聞くからにジャンクな食べ物ではあるのだが、ジャガイモを丸ごと使っているので中はホクホクだし、外の衣もフライドポテト様ではなく、フリッターのような衣で特徴的だった。ケチャップやマスタード、マーガリンなどを付けて食べる。正直、これがたまらなくウマかった

子どもの頃に訪れた真夏の深夜のSAでは、ハイテンションの中じゃがべーを食べて小腹を満たすというのがお馴染みのルーチンであった。

最近「じゃがべー」を見なくなったような気がする理由

じゃがべーとの付き合いは私が中学生くらいの頃に途絶えてしまったが、時は流れて今度は私が親となり車を運転する立場となって思ったのが、

あれ、どこ行ってもじゃがべー売ってない?

という事である。

私の記憶している古き良き時代は、商品名こそ「じゃがべー」「ベーコン男爵」というブレこそあったが、だいたいどこのサービスエリア・パーキングエリアのスナックコーナーにも配備されており、入手に困った記憶はない。それが最近ではどこを見ても置かれていない。

思い出補正が多分に入っていたとしても、個人的な高速道路B級グルメチャンピオンだと思っているので、これはあまりにも悲しい。ということで、何故「じゃがべー」は高速道路上から消え去ってしまったのか。正解は分からないと思うが、自分なりに理由を考えてみた。

理由① 日本道路公団の分割民営化による標準からの脱却

私が親に連れられてじゃがべーを食べていたのは、せいぜい2000年代初頭まで。まだ高速道路分割民営化前で、日本道路公団が運営していた時代だ。日本道路公団とは現在のNEXCO東中西3社の前身にあたる法人で、全国の高速道路の建設や管理を行っていた。もちろんSA/PAも例外ではなく、日本道路公団の管理下にあった。

日本道路公団は全国のSA/PAを管理していたが、その実態はいわゆるお役所仕事で画一的なもので(一部、海老名や足柄などスゴいところもあったが…)、あくまで「休憩施設」として管理していた部分が強かった。

一部レストランなどのテナントには外部運営のところもあり、当時から豊富なご当地グルメなどが味わえるようになっていたが、スナックコーナーは原則として「公団標準」のようなメニューが並んでいたのだと思う。じゃがべーも主にスナックコーナーで販売されていたと記憶しているので、公団標準メニューの一部だったのでは?と考えている。

やがて道路公団が分割民営化すると、休憩施設でもしっかり利益を出すために会社独自の路線を打ち出したエリアが増え(それ自体は悪い事ではないが)、エリアのリニューアルやご当地商品の強化などにより公団標準メニューは淘汰され、見なくなったのでは。というのが一つの理由だと考える。

理由② スナックコーナーの多形態化

近年、特に大きめのサービスエリアで顕著なのが、スナックコーナーがフードコート化されているということだ。フードコートとなると、何かに特化したメニューを持ついくつもの店舗が軒を連ね、客からするといくつもの専門店から好きなものを選ぶことができる。また、専門店であるため安かろう悪かろうではなく、一部を除いて単価は高めである。

かつてのSA/PAの「スナックコーナー」といえば、うどんやそば、ラーメン、定食などの汎用メニューを扱いつつレジ横にホットスナックの什器があり、じゃがべーはそこで売られていたように思う。

それがフードコート形態になってしまうと、やはり汎用メニューが薄くなる点は否めない。うどんやそばであればフードコートで麺類をカバーする店舗があればそこで食べることができるが、「じゃがべー」を扱っている専門店は聞いたことがないため、扱う先が無くなって消えていったのも理由の一つではないだろうか。

理由③ そもそも既に製造されていない?

WIkipediaには以下のように書かれている。

じゃがべー製造業者の一つである富山県氷見市のタナカフーズは、冷凍食品として業務用に卸していたほか、同社のホームページで一般向けの通販も取り扱っていたが、2016年11月に破産手続きの開始決定を受け販売を停止。

Wikipedia 「じゃがべー」より引用

行き場を失ったじゃがべー達は当然のように製造業者の売り上げを押し下げただろう。それによってかは知らないが、主要な製造元が既に倒産しているということはどうやら事実のようだ。他にも製造業者はあるため、まだ細々とは販売されているのだろうか。

しかし、通販をやっていたのは知らなかった…今なら注文しただろうな。

どこに行けば今「じゃがべー」に会えるのか

食べたくて仕方がなくなってきたので、どこかで売ってないかをいろいろネットの世界を探し回ったが、そう大して映えるものでもないため、SNSにチラホラと上がっているくらいで、具体的にじゃがべーがどこで売られているのかは結局ハッキリしない。そして、高速道路なら「海老名SA]というワードが時々見られるので、今でも行けばあるのだろうか。(遠いけど)

一応WIkipediaには以下のように書かれている。

日産スタジアムやニッパツ三ツ沢球技場などで購入することができる

Wikipedia 「じゃがべー」より引用

スタジアムグルメでどうやら生き延びてはいるらしい。しかし違うんだよな。

私は、深夜の高速道路で小腹を満たすあの「じゃがべー」を再現してみたいんだ。

コメント欄から、じゃがべーが現存しているSA/PAの情報があればぜひ情報提供お願いしたいです。

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