新幹線での新型コロナ感染リスクは?

「えきねっと」で東北新幹線を格安で予約するためのコツと基本知識について

基本的なことができない「えきねっと」アプリに喝!

私は日頃、東海道新幹線ばかりを使っている人間なのですが、訳あって3月に東北新幹線を使うことになり、「えきねっと」を久々に使うことになりました。前回利用した時には、この「えきねっと」のユーザーインターフェースの使い勝手がイマイチだったことは覚えています。

2020年2月現在アプリによる新幹線予約は不可なので注意

2020/7/20追記
新幹線の予約ができるように現在は改善されています。

前回利用時にはまだスマホアプリがなく、数年ぶりの利用という事で、「さすがにアプリ化したかな?」と思ってAppStoreを検索すると…出ました、えきねっと!早速インストールして使ってみよう!

列車予約!いいねいいね。検索履歴もついて使い勝手も良さそう。
さあ早速、乗車路線から東北新幹線…っと…。

東北新幹線…っと?
あれ?東北新幹線どころか、新幹線の「し」の字も検索画面には出てきやがらない。お隣のオレンジ色のJR会社とは正反対である。(あちらはあちらでアプリからは新幹線の予約しかできない。)

新幹線?我々(JR東日本)は在来線で稼いでおるのだ。
某オレンジのJRとは違うのだよ。

うーむ、こういったところで、会社の特色というか、そういうのを出さなくても…。国鉄分割民営化には功罪がありますが、罪な部分は同じJRなのに各社でシステムに独自色が出すぎているところですかね。最も基本となる指定席予約の根幹のシステム(マルス)は一緒なので、いいということなのでしょうか。

さすがの天下の東日本とはいえ、新幹線のネット予約をアプリに任せるわけにはいかないようです。(今後対応させてくるとは思っていますので…期待)

えきねっとのトクだ値は最大50%(半額!)割引という夢のきっぷ

東海道新幹線と比べると割引が多い

気を取り直してWebから申し込みをすることにします。わざわざ使いにくいえきねっとを使うには、理由がありました。それは勿論、割引です。割引がなければ、わざわざインターネットで買わずに、駅の窓口や券売機を叩けば早いですからね…。

さて、普段使う東海道新幹線にも、インターネット予約(エクスプレス予約)で一応の割引はありますが、21日前までに予約する必要のある「EX早特21」ですら、せいぜい1割程度の割引率しかありません。10,000円のきっぷが、だいたい9,000円になるイメージです。無いよりマシですが、「おおっ」となるような割引ではありません。

こだまのグリーン車など、明らかに持て余し気味のものについては安売りしていますが、「のぞみなんて定価でもバンバン乗る」東海道新幹線においては、座席の安売りはしたくないのでしょう。

前置きが長くなりましたが、東北新幹線には「トクだ値」という割引があり、おおよそ次のような割引率となっています。

  • お先にトクだ値スペシャル(50%割引)
  • お先にトクだ値(25%~35%割引)
  • トクだ値(5%~15%割引)

ちょっとこれを見ると「おおっ!」となりますよね。
特に、お先にトクだ値スペシャルや、お先にトクだ値なんかは本当にトクです。仮に東京~名古屋間の東海道新幹線で25%割り引かれたら、普通車指定席がだいたい8,000円くらいになるイメージでしょう。EX早特21は時間帯限定ですが、こちらは終日の列車が対象です。

ただし、 お先にトクだ値スペシャル はその名の通りスペシャルで、特別に期間・列車限定で売り出される商品ですので、よほど条件に当てはまらないとそもそも乗りたい列車が該当していないことも多いです。この記事では主に、常時設定されている「 お先にトクだ値 」を中心に見ていこうと思います。

トクだ値の対象となる列車や割引率の違いには注意

東北新幹線の列車種別についておさらい

普段、「のぞみ」「ひかり」「こだま」の3列車体制に慣れている身からすると、東北新幹線の列車種別は複雑怪奇極まりないというところです。
ここで、簡単に東北新幹線の列車種別をおさらいしておきます。

  • はやぶさ:東京~盛岡・新青森・新函館北斗間を運行
  • はやて:ほぼ消滅(一部区間列車のみ)
  • こまち:はやぶさに連結。盛岡で分割して秋田まで運行
  • やまびこ:東京~仙台・盛岡間で運行
  • つばさ:やまびこに連結。福島で分割して新庄まで運行
  • なすの:東京~郡山間で運行。各駅停車。

なんと6種別…!ただ、「はやて」に関してはほぼ消滅しており、臨時列車を除いてほぼ見かけることはないので、実質5種別となります。
そして、はやぶさとこまちには、東京~盛岡間の速達料金として「はやぶさ料金」が設定されます。「のぞみ料金」から続く悪しき習慣…。

この一覧を見て思うのは、「はやぶさ」と「のぞみ」の関係と、「なすの」と「こだま」の関係が似ているなぁ、というところです。前者はほぼ合っていますが、後者に関しては、実は間違っています。

東北新幹線の列車種別は基本的に「発着駅」で決まる

実は間違っている、いうのも、東北新幹線の列車名称は、東海道のように「停車駅」ではなく、「発着駅」によって決められています。先ほどの表で、運転区間を書いていますが、東京と対になっている着駅が、列車種別のキーになっているのです。

このうち、「はやぶさ」については、発着の定義に加えて、速度料金を徴収する根拠である320km/h運転が必要となるため、必ず速達列車になります。(定期列車では消滅したものの、320km/h運転ができない場合は、「はやて」が使われる。)

最も停車駅がややこしいのは「やまびこ」

東海道新幹線でもそうなのですが、「のぞみ」と「こだま」は分かりやすく、その中間にある「ひかり」は、停車駅などが少々複雑でした。東北新幹線でも、「やまびこ」がそれにあたる種別となります。

「やまびこ」は、仙台もしくは盛岡を発着となる列車で、停車駅は関係ありません。ということは、仙台まで各駅停車や1駅しか通過しない「やまびこ」もあれば、途中数駅しか停車しない速達の「やまびこ」もあるわけです。

一例を以下に挙げてみます。

  • ①やまびこ125号:東京7:40~仙台9:38(1時間58分)
     ⇒停車駅:上野・大宮・宇都宮・郡山・福島 
  • ②やまびこ205号:東京7:44~仙台10:06(2時間22分)
     ⇒停車駅:各駅

同じ「やまびこ」でありながら、仙台到着は24分も違うのです。
①のやまびこは、主要駅だけ停車するタイプで、②のやまびこは、各駅に停車して退避も多いタイプになります。一応、列車番号からある程度の判別はできる(200番台はほぼ各駅停車)のですが、東海道の列車と比べると難易度は高いなぁというのが実際のところです。

トクだ値の対象となる列車は発着によって違う

さて、ここまで列車種別の話をしてきましたが、見出しに書いた通り、トクだ値を使える列車は、発着によって異なります。特に、需要が大きいであろう仙台発着となるものはかなり条件が厳しく設定されています。詳細は以下のリンクからご確認ください。

参考 えきねっとトクだ値 東北・山形・秋田・北海道新幹線の対象列車・価格JR東日本

東京~大宮を発駅とした場合、具体的には以下の通りです。

  • 「はやぶさ」「はやて」が利用できるのは仙台より北(古川以北)
  • 「やまびこ」も、盛岡発着の列車が利用できるのは仙台より北。(古川以北)
  • 「こまち」「つばさ」は秋田新幹線・山形新幹線区間に入る利用でしか利用できない。

つまり、仙台に「トクだ値」で行こうと思ったら、仙台が発着となる「やまびこ」しか、対象列車として選べないということになります。

もっと言えば「通常の利用では乗り通すことをあまり想定しない列車」が、対象になっていると言えます。(仙台へ行くならははやぶさ利用が最速となる)
ただ、これは妥当であるとも言えます。仙台駅は、「はやぶさ」が大宮駅を出て最初に停車する駅です。ここで「トクだ値」利用客を降ろしてしまえば、あとは空気を運ぶしか無くなってしまいます。一方で、仙台が発着の「やまびこ」では、通常料金で東京~仙台を乗り通す人は、あまりいないでしょう。(はやぶさ料金を敬遠する人くらい?)

東北新幹線の特性としては、東京から離れるにつれて乗客は減る一方なので、需要が多い仙台までの割引客は、仙台発着のやまびこを使わせて仙台までの乗車率を維持し、「はやぶさ」には、通常料金もしくはより遠くまでの乗客を乗せたいという意図が、この区間・種別設定から感じ取れます。

速達列車ほど割引率は下がる

東京~仙台は「やまびこ」しか利用ができませんが、東京~盛岡間は、盛岡が発着となる「やまびこ」に加えて「はやぶさ」も利用できます。ただし、割引率は、やまびこが最大30~35%に達するのに対し、「はやぶさ」では最大25%割引にしかなりません。これも速達列車は需要が高いことから、なるべく「やまびこ」に誘導したいという意図が感じられます。

週末の東北新幹線「お先にトクだ値」はほぼ瞬殺

最安値は「事前受付」でほぼ完売する

これだけの割引ですので、当然人気は高く、3連休程度の休みでも、一瞬で「お先にトクだ値」は完売してしまいます。私も3月に利用するのですが、残念ながら往路の「お先にトクだ値」は取ることができませんでした。

割引きっぷにはよくある話なのですが、列車単位に、割引率ごとに座席数が割り当てられており、最安値は当然、座席数も少なくなっています。「えきねっと」の発売は、通常のJR券と同じく、乗車1か月前の10時からになりますので、そこから熾烈な取り合いを制した人だけが、最安値の「トクだ値」をゲットできるのです。

ですが、10時に「えきねっと」に張り付いてアクセスすれば取れるわけではありません。10時ちょうどに狙いすましてアクセスしたとしても、画面が表示される頃には、完売となっているのです。これは「事前受付」という仕組みによるものです。

「事前受付」とは

前述したとおり、えきねっとをはじめ、JR券の発売は、1か月前の午前10時からとなりますが、1か月前の午前10時に、スマホやPCからの争奪戦に参加できない人も、当然ながら発生します。そういった人たちの救済という意味で、事前受付というものが存在します。

これは、1か月とさらに1週間前から申し込むことができ、申し込んでおくと、自動的に1か月前の午前10時からの座席の取り合いに参加できるというものです。

参考 事前受付についてJR東日本

「事前受付」は先着順ではない

これを見て「?」と思った方もいると思いますが、いくら事前受付を早く済ませたところで、座席が確保される保証はないのです。事前受付で早く受け付けた順に座席を確保するということであれば、それは1か月前の10時という時間が、1週間前倒しになるだけの話になってしまいます。そのため、仕様は公開されていませんが、何らかのアルゴリズムにより、申し込みをした人の中から抽選を行っているものと思われます。

裏付け、とまでは言えませんが、私は帰路の事前予約を期限ギリギリにしましたが、その分に関しては第二希望ではありましたが、お先にトクだ値を入手することができました。

「お先にトクだ値」を入手するなら、事前受付+10時打ち

「事前受付」は、必ず希望の券種を入手できるわけではありませんが、自分で10時に打つよりは、遥かに入手できる確率は高いと思います。

現に、帰路の列車については、事前受付をしたうえで通常の申し込みを午前10時に試してみましたが、10時ちょうどのアクセスにも関わらず、画面が開いた時には、「お先にトクだ値」は既に完売となっていました。

事前受付の結果は、10時少し過ぎにメールで送られてくるため、10時ちょうどにはわかりません。もし余裕があるようであれば、発売日の10時に「えきねっと」へアクセスし、希望の列車の「お先にトクだ値」が残席ありの状態であれば、迷わず予約しましょう。仮に重複して予約が取れてしまった場合は、きっぷ受け取り前(チケットレスであれば発車4分前まで)であれば手数料320円で払い戻しをすることが可能です。

参考 お申込み・ご乗車にあたっての注意事項JR東日本

参考 新幹線eチケットご利用ガイドJR東日本

完売後の「お先にトクだ値」が復活することはない?

こうして、復路は無事に取ることができたのですが、往路は残念ながら「お先にトクだ値」ではありません。一説によると、「お先にトクだ値」枠でキャンセルが出た場合にはその分が再度売りに出されるようですが、キャンセル待ちのような仕組みはありませんし、定期的に巡回をしていて一度もその復活を見たことはありません。そもそも、同じように争奪戦に参加して苦労して取ったものを、そう簡単に手放す人がいるとも思えません。どうしてもやむを得ず。ということはあるかもしれませんが、そのようなキャンセルが発生するのは、得てして直前になってから。というものです。
出発の14日前を過ぎてしまえば、いくら枠が空いたとしても、発売条件に合致しないので、「お先にトクだ値」を買うことはできません。

「トクだ値」が復活しない理由(推測)

通常の指定席であれば、おおむね以下のようなタイミングで、満席であっても空席がでることがあります。特に、朝イチのタイミングで空席が発生することが多くあります。しかし、「トクだ値」では、朝イチになっても一向にキャンセルが発生する様子がありません。通常の指定席では空席が発生するのに、トクだ値は発生しないその理由について考えてみます。

  • 指定席を持つ人が乗車変更をした(随時)
  • 予約が抑止されていた座席(車いす席など)が一般開放された(毎朝5:30)
  • 旅行会社などが抑えていた座席が解放された(毎朝5:30)

この「5:30」というのは、システムの夜間処理が終わり、一般向けにシステムがオープンする時間です。えきねっとが使っているJRの予約システム(マルス)はオンラインで予約受付をしており、乗車変更など個人の行う操作は即時反映されますが、大口の予約のキャンセルや車いす席などの開放は、夜間処理中に開放を行うようにシステムで制御されていると考えられます。このため、朝イチというのは、通常の指定席が解放される可能性が大きいのです。

しかし、「トクだ値」は、一般の個人を相手にする販売形態ですので、夜間処理で解放できません。仮に、「枠を増やす」という処理が行われれば、このタイミングなのでしょうが、そんな事はまず発生しません。よって、個人が「トクだ値」を手放すまで、絶対に復活しないと考えた方が良いでしょう。

まとめ:東北新幹線を使うなら「えきねっと」の活用は必須

えきねっとは使いにくいが使わない理由がない

ここまで、東北新幹線ビギナーの私が東北新幹線を格安で使うために、「お先にトクだ値」などの割引について試行錯誤したことを備忘録代わりに書いてきました。

その中で思ったことは、「割引率が高い」ということです。しかも、その割引の恩恵を受けられるのは「えきねっと」会員だけですので、東北新幹線(やJR東日本の他の路線や在来線特急)に乗車する機会が一度でもあるのであれば、ぜひ登録しておくことをおすすめします。ちなみに年会費は無料です。

ただし、クレジットカードで決済しなければならないので、そこは注意してください。

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