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ドラクエウォークは懐古するおじさん達をいかにガチャ地獄へ誘い込んだのか

ドラクエ世界の神秘的な森

昨年9月に鳴り物入りでリリースされたドラクエウォーク

ドラゴンクエストウォーク(略称:DQW)は、2020年時点で30代~40代の特に男性を中心に、リリース時は期待に胸を躍らせるようなゲームだったのではないだろうか。少なくとも、私はそう感じた。しかし、タイトルにあるように、リリースから4か月ほど経過し、急激に輝きを失っているように感じる。

ドラゴンクエストといえば、1986年に第一作が発売されて以来、不動の人気を保ってきたゲームのシリーズである。最近では2017年にシリーズ11作目が発売され、やはりというべきか、売り上げは好調であるようだ。

とは言え、やはりドラゴンクエストの「ピーク」は、社会問題を引き起こした「3」の発売された1988年から、「6」の発売された1996年くらいまで。それ以降は、ハードの進化と共に開発にも時間がかかるようになり、それまでの2~3年に1作というペースは維持できなくなった。

その「ピーク」の時に小中学生だったのが、今の30代~40代で、当時はRPGといえば「ドラゴンクエスト」か「ファイナルファンタジー」であり、私の周りでも好みは分かれたとしても、両方を楽しんでいる友人が多かったように思う。

そして時は流れ、 当時の小中学生達も働き盛りの年齢となり、仕事に家庭に忙しく、ゲームから離れている人も多いだろう。しかし、今はゲーム機を買わずとも、誰もが持っているスマートフォンでプレイするゲームが主流となっている。
そんな中、忙しくありつつも、カラダの緩みが気になり始めてきた30代~40代を狙い撃ちしたかのように、スマートフォンで「ドラゴンクエストの位置ゲー」こと、「DQW」がリリースされた。

実際の世界がまるでドラクエのフィールドに
左上のキングスライムを見たらワクワクしないわけがない。

懐かしさに誘われるドラクエ黄金世代経験者たち

スマートフォンのゲームというのは、買い切りの有料アプリもあるが、基本プレイは無料ということが多い。DQWも当然ながら、ダウンロードして遊ぶだけなら無料である。

私も最初は「味見」くらいの気持ちでダウンロードしてプレイしていたが、プレイをしていると段々ハマっていくのが不思議である。

自分が歩いて目的地に行くとイベントが発生し、今までのどんな作品よりも滑らかに動く自キャラや敵キャラに目を奪われる。それをクリアしながらレベルを上げ、敵モンスターの「こころ」が重要だと気が付き始める。そしてシステムが理解でき、ストーリーを進めていくうちに、どんどん強くなりたい。という欲が出てくる…。

分かる人には分かる達成感

そこにとどめを刺したのが私の場合「ロトの剣」だった。

装備品は実質「ガチャ」のみで入手できる仕組み

ロトの剣とは、ドラゴンクエスト1と2に登場する伝説の剣である。3には直接登場するわけではないが、名を変えて登場するため、実質1~3に登場する伝説の剣といっても差し支えないと思う。

これをゲーム内で手に入れるには、何かボスを倒すのだろうか。
はたまた、サブクエストで「オリハルコン」を手に入れて、ジパングから来た凄腕の職人に作ってもらうのだろうか。

いやいや、この世界のレア装備はすべて「ガチャ」で入手するしかないのだ。

DQWの世界では、装備品に☆1~☆5というランクがついており、☆の数が大きくなるほど、強力な装備品となる。しかし、DQWでは、☆3以上の武器は、基本的に「ガチャ」を回すことでしか入手することができない。ナンバリング作品のように、新しい街について、武器と防具の店を眺め、財布と相談して武具を買い替えるといった楽しみは一切ない。

そして、ナンバリング作品であれば、濃厚なストーリーを進行したうえで苦労して手に入れるであろう伝説の武具が、あろうことか「ガチャ」から排出されるという世界観もへったくれもない状態になっている。

ガチャは1回300円で0.5%を狙いにいくスタイル

その「ガチャ」に、ロトの剣が追加されてからは、それまでは課金の誘惑に耐えてきた私も、ついに物欲に負けて課金を始めてしまう。
一応ガチャについて補足をしておくと、必ずしも有料というわけではなく、ゲーム内のイベントで配られるアイテムを使うことで、僅かだが無課金でも引くことは可能だ。

ただ、無課金でも引くことができるのは、せいぜい週に10回ほど。
その中で、「当たり」の☆5が出る確率は7%で、さらにその「当たり」の中の「当たり」である、「ピックアップ装備(イベントなどの期間限定で排出される強力な装備)」が出る確率は、このガチャであれば、0.5%が5種類あるので、2.5%の確率である。

しかし、本当に欲しいのは「武器」である。いくら防具があったところで、強敵の戦いではあまり有利にならない。攻撃は最大の防御という言葉がある通り、防具が中途半端に出たところで、 死ぬのを少し先延ばしにする効果しかない。

つまり、0.5%の確率を狙って「武器」が引けなければ、このゲームで強くなることは不可能なのである。

ガチャで本当に欲しい「ピックアップ武器」が当たる確率は
提供割合を見て分かる通り、なんと0.5%だ。

ガチャの料金は決して安くなく、1回300円程度である。実際には、ゲーム内仮想通貨である「ジェム」を使うのだが、おおよそ1ジェム=1円のレートである。
「10連」という、10回一気に引くことができるシステムがあるが、それをやれば一瞬で3000円が消えて無くなるということだ。

ガチャを1回回すには300ジェム≒300円が必要。
一瞬で3000ジェム=3000円が溶ける瞬間

たまたま運よく念願のアイテムは引けたが…

こうして、ロトの剣を目当てに、無料で貰えるアイテムも駆使して、「ガチャ」のために課金することになる。ただし、直接ガチャそのものに課金するのではなく、ゲームを有利にするためのアイテム(「ゴールドパス」という、歩いたり戦闘を重ねることでゲーム内でガチャ券と引き換えることができる「マイレージ」が溜まりやすくなる)のみをまずは購入することにした。

実際にガチャ券を買うよりは安いものの、ゴールドパスは4週間で3000円であるため、月額課金と考えても結構な課金額である。ちなみに、ゴールドパスの恩恵をフルに活用すると、4週間でガチャ40回分に相当するマイレージが手に入る。普通にジェムを購入すれば、およそ12000円分に相当する。

実は、ロトの剣に限っては「あっさり」というような感じで、ゴールドパスによるマイレージで獲得できてしまった。

しかし、罠はさらにその先にあるのである。

LV30で「ギガスラッシュ」を習得!これはアツい。

せっかく武器を引いても「コンプ」しなければ真の力を発揮しない

私は伝説の剣を、微課金(?)といえる金額で入手することに成功した。

しかし、調べていくと、「ロトの剣」は、「ロトの防具が揃わないと真価を発揮しない」ということだった。要は、単品で剣だけを持っていても、それはマスタードラゴンによって覚醒する前の「てんくうのつるぎ」のようなものだということだ。そして、基本的にはロトシリーズ以外でも、防具とのフルコンプセットで武器の最大性能が得られるようになっている。

それはどのような仕組みか。

ロトの剣の必殺技は、当然ながらLV30で習得することになる「ギガスラッシュ」だ。これにはデイン系(雷)の属性がついているのだが、実は、ロトの防具には、「デイン系ダメージアップ」という特殊能力がついている。

唯一、ロトの剣以外で引けたのがこの「かぶと」なのだが、デイン系特技が3%アップするという能力を持っている。ほかにも、鎧上、鎧下、盾があり、それぞれデイン系アップの能力をもつため、それらを組み合わせると、ギガスラッシュによるダメージは絶大なものとなる。

兜しか持っていないのでは、せっかくのロトの剣を使いこなしているとは言えないのである。

パーツが多いにも関わらず装備被りなど一切の考慮が無い

ここまで説明してきたように、ドラクエウォークのガチャは、非常に低い確率でしかレアアイテムが入手できないうえ、シリーズ防具までセットでない限り、最大性能を引き出すことはできない。

それにも関わらず、レアアイテムの「被り」は一切考慮がされない。つまり、剣が欲しいにも関わらず、一度出た兜や鎧だけが排出されるという恐ろしさがある。

しかも、シリーズを構成する「パーツ」が、やたらと多いことも、混沌に拍車をかける。ドラクエ10のシステムをそのまま持ってきたせいか、 「剣」「盾」「兜」「鎧(上)」「鎧(下)」 という5つのパーツによってシリーズを構成することが通例となっていて、シリーズをコンプしようと思えば「剣」「盾」「兜」「鎧(上)」「鎧(下)」という5品を、毎回毎回0.5%の確率をもって引き当てなければならないのだ。まともにやれば、相当の金額の課金が必要となるのは目に見えている。

ある10連ガチャの結果。そもそも☆5がいない…。
これで3000円なのだが、ある程度ゲームを進めると☆3、☆4というのは
完全にゴミ化し、使い道は全くない。

イベントが終われば、次は新しい武器の接待が始まる

こうして、必死の思いでシリーズ一式を揃えたら、ようやく猛者たちと同じ土俵に立つことができる。まあ、彼らはガチャ以外にもやり込んでいるため、装備だけあったところで勝ち目はないのだが。今のところ対人戦はないため、レイドバトルで自慢の強さを誇示する程度ではある。

さて、散々述べてきた通り、ガチャのレア装備を微課金程度で揃えるのは、それなりの運が必要だ。苦労して揃えた伝説の装備であれば、もうガチャを引かずに長く遊べる…。

なんてのは幻想だ。

基本的にガチャは期間限定で、期間限定のイベントと連動していることが多い。つまり、イベント開催中は無類の強さを誇っても、ひとたびイベントが終わって次のイベントでは新しいガチャが登場し、一世代前のレア武器は並の武器に成り下がってしまうのだ。

むしろ、直前のガチャで排出された武器の属性に耐性を持たせることで、新たなガチャを回したくなるように仕向けているとさえ思える。

永遠に続く負の連鎖

ドラクエの名を冠するゲームとして、期待していた分、失望は大きかった。4カ月プレイしてみて、薄々そう感じてはいたが、このゲームはガチャこそがゲームの中心に位置しているいわゆる量産型のソーシャルゲームに、ドラクエの皮を被せただけに過ぎない。

開発が国内の某ソーシャルゲームメーカーということもあり、そのノウハウを発揮しているという事だろう。

青天井の課金によって収益を上げるビジネスモデルは、おそらく長くは続かないし、新たな規制が生まれるかもしれない。今はスマホというプラットフォームが主流ということもあり、ユーザーには非常に課金をさせやすい構図となっていることも一因だろう。

ドラクエウォークは、ここまで書いてきたように、結局のところはガチャを中心に据えた薄っぺらいソーシャルゲームなのだ。一応ストーリーはあるものの、ナンバリング作品と比べたらそれこそ完成度は雲泥の差である。解放されているストーリーは全て終わらせたが、これほどまでに記憶に残っていないゲームも珍しい。

雑なゲームを乱立させてガチャで短期回収というビジネスモデルなのかもしれないが、ゲームの作り手としては、いかに課金をさせるか、ではなく、いかに楽しませるかを考えることがこの業界の持続可能性として重要なのではないだろうか。

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