新幹線での新型コロナ感染リスクは?

山陽新幹線を駆ける個性的な「ひかり」たち(上り新大阪方面・臨時列車編)【ひかり号の雑学②】

注意
本記事は2020年3月ダイヤ改正以前書かれた記事であり、ダイヤ改正以降は状況が異なることがありますので注意してください。

前回の記事に続き、今度は山陽新幹線に残る「ひかり」のうち、上りの定期 列車と臨時列車について紹介していきたい。前回の記事は?という方は、以下から参照してみてほしい。 (記事の内容は2019年8月現在)

博多6時発!わずか2駅しか通過しないひかり440号

ひかり440号は、博多を6時に発車する東行きの一番列車である。しかし、10分後には「のぞみ2号」が発車し、新岩国駅でこのひかり440号を抜き去ってしまう。なお、この列車の行先は岡山であり、新大阪にすら行かない。博多~岡山間の所要時間は、2時間29分で、のぞみ号なら1時間40分程度で両駅を結ぶことを考えると、かなり時間がかかっているといえる。長距離輸送は捨て、地域間の通勤輸送などを担っているのだろう。ちなみに、2駅しか通過せず、ほとんど「こだま」に近い列車だが、レールスターの名を冠しているため、コンパートメント(個室)が利用可能である。

新大阪まで退避ばかりのひかり442号

続けて、前を走るひかり440号と似た列車となるひかり442号は、博多を6時20分に発車し新大阪駅に10時13分に到着するひかりレールスターである。下りの「ひかり」は、比較的俊足であることが多かったものの、440号に続いて岡山まで2時間40分。新大阪まで4時間近くかかる鈍足っぷりである。ひかり440号に続いて、大都市間の輸送というよりは、朝の通勤輸送が主体の列車なのであろう。ただし、博多→新大阪を通しで走る貴重な「ひかり」なので、例によって格安の旅行商品が利用できる数少ない列車である。

ひかり440&442号の特徴① 貴重なレールスターの定期列車

ひかり440号、442号は、下り1本、上り2本が残っている貴重な定期のひかりレールスターである。前述の通り、鈍足だがレールスターの名を冠するため、コンパートメントが利用可能である。下りのレールスターとは異なり、朝から昼間にかけて走行するので、博多から乗車するには早いが、途中駅からのんびり個室で旅行。という使い方も、無いわけではないと思う。もし時間に余裕があるのであれば、検討してみてほしい。

深夜の超速達ひかり444号

上りの定期「ひかり」は、東海道直通の東京行きを除いては3本しかなく、その3本目がこのひかり444号である。この列車は、博多を20時51分に出発し、新大阪に23時32分に到着する。博多~新大阪間を2時間41分で結ぶため、いわゆる速達型のひかりで、後続のみずほ612号には抜かされることなく新大阪へ到達できる。また、この列車は、700系の運用調整・送り込みも兼ねているためか、必ず700系が充当される列車となっており、もしかすると2020年3月以降、JR西日本に残された700系の仕事場は、この列車と下りのひかり441号ということになるかもしれない。

ひかり444号の特徴① 700系が最後の本気を見せる列車

この列車は20時51分に博多を出発し、後続は21時9分発のみずほ612号である。ひかり444号の停車駅は、小倉、広島、福山、岡山、姫路、新神戸であり、ほぼ「のぞみ」と遜色ない停車駅の設定となっている。中でも、小倉~広島ノンストップというのは、「のぞみ」ですら珍しい部類なので、存分に700系の本気の走りを堪能できる列車と言えるだろう。

ひかり444号の特徴② 最終「みずほ」を救済する輸送力の高さ

山陽新幹線の輸送力列車といえば、16両編成の「のぞみ」であるが、のぞみの最終列車は、20時1分発ののぞみ98号(名古屋行)である。それが出た後は、基本的には8両編成の列車しか走っていない。九州新幹線が開業する前は、博多→新大阪の最終列車は、16両編成の「のぞみ」だったが、九州新幹線開業後の最終列車は8両編成の「みずほ」に置き換えられてしまった。それにより輸送力が圧倒的に不足していたためか、2013年春のダイヤ改正により新設された。700系の16両編成なので、座席定員はN700系8両編成の2倍以上あり、輸送力はずいぶん改善された。

ひかり444号の特徴③ 最終「みずほ」を救済しすぎた末路

確かに、前述の通り輸送力は改善したが、あまりにも座席数が多すぎたためか、平日を中心にこの列車は空気輸送となっていた。そのため、この記事で何度も紹介した「格安商品」の対象となり、状況は一変。週末を中心に、普通車はおろかグリーン車禁煙席までも、満席が目立つ列車となってしまった。需要と供給のバランスが難しいというのがよく分かる例である。

参考 【新大阪⇔博多・小倉・熊本・鹿児島中央】バリ得こだま・ひかり・つばめで行くお得な旅日本旅行

九州まで行かない「臨時さくら」は「臨時ひかり」になる

山陽新幹線の臨時ひかりのうち、列車番号が「58X」という列車がある。この列車の特徴についていかに説明する。

ひかり58X号の特徴① 臨時「さくら」の変わり身

この時刻表を見てほしい、「587」という全く同じ列車番号で、全く同じ時刻に運行しているが、時刻表の間違いではない。この列車は、日によって行先が変わるのだ。混雑が予想され、九州直通の需要が高い日には鹿児島中央行の「さくら」として運転し、多客だが九州直通の需要が少ないと判断されれば、博多行の「ひかり」となる。さらに需要が少ないと判断された日には、そもそも運転がされない。という意味である。運転日を見てみると、8/9~15のお盆期間は言うまでもなく多客で遠距離利用客が多いため「さくら」で運転し、お盆前の利用は多いが九州直通の需要が少ないと判断した日に関しては「ひかり」で運転されていることがわかる。

なお、「ひかり」で運転される日には、エクスプレス予約の「グリーン特典」でグリーン車に乗車することができる。N700系8両編成のグリーン車に、グリーン特典で乗車できるのは、このような列車しかないので貴重だ。









謎の姫路発着 ひかり577号&ひかり576号

ここでは、白昼を走る「ひかりレールスター」として、突然の復活を遂げた下り「ひかり577号」と上り「ひかり576号」の2列車について紹介する。主に、夏休みなどの期間の「超繁忙期」を除いて運転しているようにも思えるが、不定期でいつ運転しているのかが全く読めない謎の列車である。

ひかり577号&576号の特徴① 速いが姫路発着

2018年頃から突然現れたこの列車たち。下りが姫路発13時14分→博多着15時28分と、2時間14分で。上りが博多発11時53分→姫路着14時4分で、2時間11分。「のぞみ」や「みずほ」が、姫路~博多間をだいたい2時間ちょうどくらいで結ぶため、かなり速達といっていい列車だろう。ただ、唯一かつ最大の欠点が、「姫路発着」ということだろう。新大阪始発であれば、かなり利用客も見込めたのではないだろうか。ちなみに、姫路駅利用者に限れば、日中の「のぞみ」が広島止まりのものしか止まらないため、博多まで行けるこの列車の増発はかなり便利である。

ひかり577号&576号の特徴② 格安きっぷがある

他の「ひかり」たちは、いわゆる旅行商品による格安乗車ができたが、この2列車はJR西日本のネット予約「e5489」に限って、格安で乗車することができる。詳細については以下を参照してみてほしい。ちなみに、乗車した人のブログや動画などを参照すると、大体の場合、ガラガラなので、いつまでこの列車が存続できるのか怪しいところではある。

参考 【e5489専用】ひかり577早特きっぷ・ひかり576早特きっぷJRおでかけネット

山陽新幹線を走る個性的なひかり達についての総括

前回の記事を含めて、すっかり数を減らしてしまったひかり号だが、残っている列車に関しては、かなり個性の強いものだというのが、改めての感想である。のぞみ、みずほ、さくらの陰に隠れている印象が強いが、それらの列車を補完し、救済し、東海道にはない格安移動を提供しているのは、他ならぬ「ひかり」である。利用率が悪ければ営業面からも廃止や区間短縮なども検討されてしまうであろう列車もあるので、少し工夫して、「ひかり」に乗車し、いつもと違う旅を楽しんでみるというのも、いかがだろうか。

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