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【重要】「ぷらっとこだま」は2024年3月1日乗車分より予約方法が変わります
ぷらっとこだまは、2024年3月1日より、EX予約またはスマートEX会員専用となり、予約方法が変わりますのでご注意を。
以下、JR東海ツアーズのサイトの引用してきた表となりますが、これまできっぷの受け取りが必須だったものがチケットレスとなり、シートマップで座席を指定して予約ができるようになるなど、利便性の向上がある反面、これまでは誰でもJR東海ツアーズの店舗に行くか専用サイトで会員登録をすれば購入できたものが、EX予約およびスマートEX会員であることが必須となるため、購入にはクレジットカードが必要となる等の変更も見られます。
これに伴い、2024年3月1日乗車分からはこれまで当ページに記載されていた内容が大幅に変更になります。
東海道新幹線に安く乗るために昔から愛用されてきた「ぷらっとこだま」
「ぷらっとこだま」は、JR東海の子会社である「JR東海ツアーズ」が発売している旅行商品で、東海道新幹線に安く乗るための手段としては昔から「鉄板」の扱いでした。しかし、きっぷを購入するのではなく「旅行商品」という特性上、前日までに購入が必要だったりと。扱いに制約があるというのが曲者です。
そんな「ぷらっとこだま」に焦点を当て、今でも本当におトクなのかについて検証してみようと思います。ぷらっとこだまはいろいろな区間に設定されていますが、今回は利用が多そうな「東京~名古屋」間を中心に検証していきます。
また「ぷらっとこだま」は、東海道新幹線(東京~新大阪)区間のみの設定です。山陽新幹線区間における「こだま」の格安商品について、以下の記事で紹介しています。
「ぷらっとこだま」と他サービスの料金を比較する(普通車)
「ぷらっとこだま」には、かつて通常期用と繁忙期用の2種類の料金が用意されていましたが、2024年3月1日以降は全て通常期料金に統一されます。ただし、いわゆる「最繁忙期」(直近では2024/4/27-5/6)は設定除外となり、ぷらっとこだまを利用することはできなくなります。また、ワンドリンク券がぷらっとこだまには付いていますが、それは金額換算しないものとします。
また、繰り返しになりますが、本記事では「東京~名古屋間」に焦点を当てています。全区間の具体的な料金が知りたい場合は、以下の公式サイトからご確認ください。
上で紹介した通り、「ぷらっとこだま」には「設定除外日」が存在します。「ぷらっとこだま」の設定除外日は概ね新幹線が非常の混み合う日(GW等)になりますが、事前にJR東海ツアーズの公式サイトで確認したほうが無難です。
- 4月27日~5月6日
まずは普通車指定席と「ぷらっとこだま」の料金を比較してみます。
- ひかり・こだま号普通車指定席(通常期):11,090円
- ぷらっとこだま(通常期):8,810円
⇒2,280円 ぷらっとこだまがお得
通常期の普通車指定席の料金と比べると2,280円もの差額があり、かなりお得に思えます。
ただし、当然ですが「普通車指定席」は、「こだま」以外に「ひかり」にも乗車可能です。東京~名古屋間であれば、のぞみ加算料金210円をさらに払えば、「のぞみ」にも乗車可能です。
では次に、普通車自由席と「ぷらっとこだま」の料金を比べてみましょう。
- 普通車自由席(通常期):10,560円
- ぷらっとこだま(通常期):8,810円
⇒1,750円 ぷらっとこだまがお得
通常期プランの場合、普通車自由席と比べても1,750円もの差額があります。
次は会員制の「エクスプレス予約」のうち、EX-ICサービスという、最もベーシックなサービスと「ぷらっとこだま」の料金を比較してみます。
EX-ICサービスは2023年10月までは年間を通して全て同じ料金でしたが、指定席を利用する場合は紙のきっぷと同様に「のぞみ」利用の場合と「ひかり」・「こだま」利用の場合で差が付けられるようになりました。専用のクレジットカード作成が必要なため、学生さんなどには敷居が高くなります。
- EX-ICサービス:10,880円(通常期のぞみ利用)
- EX-ICサービス:10,670円(通常期ひかり・こだま利用)
- ぷらっとこだま(通常期):8,810円
⇒1,860円~2,070円ぷらっとこだまがお得
ぷらっとこだまは、EX-ICサービスと比べてもおよそ2,000円もの差額があるため、金額面ではある程度優位です。
次は、スマートEXサービスと比較してみます。こちらは手持ちの交通系ICカードと手持ちのクレジットカードで登録できるタイプです。 詳しくは以下のリンクからどうぞ。
- スマートEXサービス(通常期のぞみ利用):11,100円
- スマートEXサービス(通常期ひかり・こだま利用):10,890円
- ぷらっとこだま(通常期):8,810円
⇒2,080円~2,290円 ぷらっとこだまがお得
スマートEXって高いんですね…。とはいえ、EX予約の大改悪で随分差は縮まりました。
「ぷらっとこだま」と他サービスの料金を比較する(グリーン車)
ぷらっとこだまには、普通車指定席のプランと、グリーン車用のプランが用意されています。グリーン車プランは、普通車指定席のプランに1,000円前後を追加で支払うだけで利用することができるので、時間はかかってもゆったり過ごしたいときには重宝すると思います。
ただ、他サービスでも「こだまのグリーン車」については、比較的安売りがされていますので、そこの比較もしていこうと思います。
通常の金額でこだまのグリーン(東京~名古屋)を購入する人はあまりいないと思いますが…。
- 通常運賃+料金(のぞみ&グリーン):14,960円
- 通常運賃+料金(ひかり・こだま&グリーン):14,750円
- ぷらっとこだま(グリーン・通常期):9,720円
⇒5,030円~5,240円 ぷらっとこだまがお得
さすがに通常と比べると大安売りです。これはそもそも通常のグリーン料金が高すぎるというのもあると思いますが、グリーン車を利用してもEX予約の普通車よりも安いのはさすが「ぷらっとこだま」。
「EXこだまグリーン早特」は、エクスプレス予約会員とスマートEX会員であれば利用でき、3日前までの予約で、こだまのグリーン車が大幅に安く利用できる商品です。
- EXこだまグリーン早特3:9,170円
- ぷらっとこだま(グリーン):9,720円
⇒550円 ぷらっとこだまが損
エクスプレス予約と比較されちゃ、ワンドリンク付きとはいえ、さすがのぷらっとも太刀打ちできないようです…。
一応、ぷらっとこだまは1日前まで予約できるので、その柔軟性が金額に表れているのでしょうか。
ぷらっとこだまの買い方
ぷらっとこだまは、乗車当日に購入することはできません。必ず前日までに申し込みをしておきましょう。
JR東海ツアーズの店舗での発売は、2022年11月30日で終了となっていますので、専用サイトからの購入のみとなります。
2024年3月1日乗車分からは、ネット上で乗車日前日の23時30分までに申し込みを行うことで、乗車票の受け取りはせずに指定したICカードをかざしてチケットレス乗車が可能です。
2024年2月29日までの乗車分は前日の22時までに予約が必要で、指定された指定席券売機で乗車票を受け取る必要があります。指定席券売機で受け取る場合は、受取場所に指定があるので以下のページを確認の上、受け取るようにしてください。
少し前までは、インターネット予約であっても「乗車5日前」までに申し込みが必要だったものが、2020年に「前日17時まで」に拡大され、今では「前日22時まで」となり、3月1日乗車分からは「前日23時30分まで」になったので、より「飛び乗り」感覚でぷらっとこだまを利用できるようになったのは大きな利点と言えます。店舗なら以前から前日でも購入できましたが、せっかくのネット販売が5日前までに申し込みが必要というのはどう考えても不便でした。
いい時代になりました…。
「ぷらっとこだま」で気を付けなければいけないこと
JRの新幹線に乗車するための商品なのですが、冒頭に書いたように、あくまで「JR東海ツアーズが発売している旅行商品」です。よって、JRの窓口では購入できず、現在はJR東海ツアーズの店舗ですら購入できないため、インターネット購入専用の商品となっています。
2024年2月29日までは指定席券売機での受け取りが必要ですが、JRの「有人窓口」では受け取ることができないため注意が必要です。
ぷらっとこだまは、乗車駅と降車駅が決められており、券面に表示されている駅以外からの乗車や降車は、一切できません。例え、乗車区間内であってもです。JR東海ツアーズのサイトを見ると、以下の通り記載されています。
ただし、例外的に東京と品川は同一の駅として扱われるので、相互に乗降が可能です。例えば品川までの乗車票で東京まで行ったり、逆に品川からの乗車票で東京から乗車することが可能です。
券面に記載された区間に限りご乗車になれます。区間内であっても、途中乗車・途中下車はできません。券面記載駅以外で乗り降りする場合、別途正規料金の乗車券、特急券の購入が必要となります。この場合ぷらっとこだまの払い戻しはありません。(※東京駅と品川駅のみ同じ駅扱いのため、相互で乗り降りができます)
JR東海ツアーズ 【ぷらっとこだま】途中乗車・途中下車はできますか。
初心者さん
駅員X
初心者さん
駅員X
参考 【ぷらっとこだま】途中乗車・途中下車はできますか。JR東海ツアーズ
最近は分からないのですが、一昔前は、ガラガラの指定席の一角を、ぷらっとの人間が占めている。ということがありました。今もそうなのかは分かりませんが、仮にそうだとしたら一人旅で3時間近く知らない人が隣に座る。というのは結構キツい気がします。列車ごとに決められた席数を発売するだけであれば、わざわざ固めなくてもいいような気がするのですが。
2024年3月1日以降乗車分は、シートマップで席を選べるとのことなので、このような事は完全に無くなるでしょう。
前段のような事があったからといって、自由席に移動することはできません。どうしても移動するなら、乗車券と自由席特急券を買いなおすことになります。
また、ぷらっとこだまには、自由席の設定はありません。
「ぷらっとこだま」のキャンセル・変更・乗り遅れについて
ぷらっとこだまは、一度購入すると乗車変更することができません。駅の窓口に行ってもどうすることもできません。また、10日前からはキャンセル料がかかり、通常の乗車券・特急券と比べてかなり厳しいキャンセル料の設定となっています。
- 10日前から8日前まで:料金の20%
- 7日前から2日前まで:料金の30%
- 前日:料金の40%
- 当日(列車発車時刻前):料金の50%
- 無連絡キャンセル(乗り遅れ):料金の100%
乗り遅れた場合は、料金の100%のキャンセル料。ということで、他の割引きっぷにありがちな「乗車券部分は有効」という事もありませんので、全て買いなおしになります。そもそも旅行商品なので「乗車券」も何もなく、ツアー代金相当なので、まぁ筋は通っていますね。想像したくないですが。
さらにきっぷ(乗車票)を受け取り済みでキャンセルする場合、駅窓口で申し出をしたうえで「取消証明」を受け、それを送料負担の上所定の住所へ送り返さなければなりません。かなり面倒です。
参考 予約の取消はどのようにすればいいですか。また、いつまで取消できますか。JR東海ツアーズ
乗り遅れも「無連絡キャンセル」扱いになるのですが、さすがに交通機関が何かトラブルで遅れた時ぐらい保証されるだろう…。と思った方。甘いです。
・指定された利用日・区間・指定された列車の座席に限りご利用可能です。
・指定のこだま号に乗り遅れた場合は「お客様都合による取消し」となり、払戻しできません。
ただし、こだま号の出発駅までのJR線(バスは除く)が遅延し、指定のこだま号に乗車できなかった場合は、当日速やかにJR遅延証明書をご持参のうえ、JR東海駅窓口かJR東海ツアーズの店舗におたずねください。
JR東海ツアーズ:【ぷらっとこだま】交通機関の遅延などにより指定列車に乗り遅れそうな場合、どうしたらいいですか。
JR線の遅れた場合のみ、裁量により対応するということで、これもかなり厳しい条件かと思います。時間にはかなり余裕を持って行くようにしましょう。
もし、私鉄の列車遅延などで乗り遅れそうになった場合、エクスプレス予約ならスマートフォンから変更でき、仮に早特だったとしても予約変更をすれば当初予定していた金額ではないにせよ、僅かな損失で済みます。ぷらっとこだまは、今にも紙切れになりそうな乗車票を握りしめながら涙するしかないのです。
なお、3月1日以降はチケットレス化されますが、取り扱いは変わらないと思われます。(以下のページを見ると変更可能のように見えますが、本文中に
ただし、ぷらっとこだまは列車変更ができません。大幅な遅延が発生している時に限り、指定席に空席があれば他の列車をご案内する場合があります。
と、記載があるため、やはり原則として変更はできず、新幹線の遅れなどの事情がある場合に限って対応されると考えればよさそうです。
参考記事のタイトルとURLを入力してください
「ぷらっとこだま」を有効に利用できるのは誰?
ぷらっとこだまは、クレジットカードによるオンライン決済をすることでネットでも買うことができますが、そもそもクレジットカードが利用できるならエクスプレス予約やスマートEXで優等列車を予約する方が便利だと思います。
レジャー用途で時間に余裕があるときでも、わざわざ「ぷらっとこだま」のエコノミーに乗って東京まで3時間かけるのであれば、EX こだまグリーン早特3で優雅に過ごすことを選ぶのではないでしょうか。グリーン車であれば、そちらのほうが安くなりますし。
また、先に述べた「キャンセル料」の存在はかなり脅威です。当日万が一交通の乱れ等やむを得ない事情で乗車できない場合でも50%のキャンセル料が取られます。無連絡または乗り遅れなら100%返ってきません。
ここで例に挙げた「東京~名古屋」間というのは、比較的割引の多い区間です。逆に、「静岡~名古屋」などの中距離区間というのは、まともな割引がないことがほとんどです。そういったときに、少しでも料金を安くしたいときは、ぷらっとこだまに頼るしかありません。まぁ、ワンドリンクも付きますし。
ぷらっとこだまは今でもお得なのか?
ここまで、「ぷらっとこだま」が今でもお得なのかという観点で、エクスプレス予約他のサービスとの比較をしてきました。
結論からいえば、単純に通常期の発売金額だけを見ればお得だと言えますが、変更が必要になったり、乗り遅れの際のリスクが付きまといます。
簡単に変更ができない「ぷらっとこだま」は、エクスプレス予約・スマートEXサービスを利用できるのであれば、そちらを利用して「こだま」に乗車した方が、いざという時の変更リスクを回避でき、かつ、ぷらっとこだまと比べてわずかな追加金額でグリーン車に乗車できるため、おすすめです。
3日前までに予約する必要がありますが、ぷらっとこだまも前日までに申し込みが必要であるため、使い勝手に差はほとんどないと思います。
- ぷらっとこだま(普通車・通常期):8,810円
- EXこだまグリーン早特3:9,170円
- ぷらっとこだま(グリーン・通常期):9,720円
新幹線の一番のウリはやはりその速さにあるため、多少高くても「のぞみ」などの速達列車を使いたい人がほとんどではないでしょうか。
(その「速さ」にお金を払っているという考えもあるでしょうし…)
そのような中でも、学生さんの旅行のように計画的に、少しでも速く、安い手段を求める人にとっては、ありがたい商品なのではないかと思います。 複数人で旅行するときには、車内の移動時間も楽しいものだと思います。このように、「速さ」をある程度度外視できる人であれば、ぷらっとこだまにお得感を感じることができるでしょう。高速バスよりは圧倒的に早いです。
ただし、乗り遅れにはくれぐれも気を付けてください。せっかく安く新幹線に乗れると思ったら、逆に通常料金より高くなってしまった…。なんてことになってしまいますので。
はじめまして!記事はたいへん参考になります。
ぷらっとこだまは東京⇄京都を、6月と7月のそれぞれ下旬に、一往復ずつ利用しました。
6月は1車両に3名ほどで閑散としていましたね。
7月は10名前後です。各駅で頻繁に乗降はありましたが、私の横一列誰も座ることはありませんでした。
並んで座っているのはご家族、もしくはカップルだけのようです。
インターネット予約で座席指定はできませんでしたが、コロナ対応としてうまく分散してくれているものと思います!
乗ったのは普通車両です。ご参考までに。
コメントありがとうございます!返信遅れまして申し訳ありません。
ぷらっとこだまの利用情報、大変参考になります。
さすがに、コロナ禍ということもあり、密な座席配置にはできないのでしょうかね?
それとも、以前のような固めての配置はやめるようになったのか…。
コロナが収まったあとの動向も併せて気になるところですね。
今年の夏に京都新横浜間で利用しました。ぷらっとこだまの利用者で座席は固まっていました。びっくりです。隣のご婦人は車掌さんにお願いして、移動していました。配慮が必要かなと思います。
コメント頂きありがとうございます。
未だにぷらっと利用者で固まっているんですねぇ…。
JRから座席数だけ買い上げて、その中で割り当てるとか柔軟な対応はできないんでしょうか。