1年がかりでアラフォーリーマンが特別な事をするでもなくゆるゆると真面目にダイエットしてみた結果。
目次
減量に取り組んだ決定的なきっかけ
サラリーマンになってから既に1X年。大学を出て以降、「仕事に追われる日々」を言い訳に全く運動習慣がなかった私だが、昨年度(2021年)の健康診断の結果を見た時はさすがに寒気がした。体重80キロまであと1㎏を切っていたのだ。そして若いころは原則Aばかりだった健康診断の判定にも、「それ以外」の者たちがボチボチ見え始める。
思えば大学を出たころから既に体重増加基調だったように思うが、その時ですら体重は65キロほど。ヤバいなと思いつつ生活習慣を変えずに10年以上の時を過ごした結果、まさにその恐怖は現実と化したと言ってもいいだろう。
思い返せばここ5年くらいは、腰痛に悩まされる機会が増えた。そして足の爪が切りにくいと感じていた。これは全て加齢のせいではなかった。私が重たい肉の鎧を纏っているためなのではないか…。なじみの美容室でも男だからか「太った?」ということを暗に聞かれることが多くなった。笑って流していたが、既に笑い飛ばせないところまで悪化している。ああ、自分はデブなのだ。まずその認識を持とう。
敵を知るにはまず己から。ということで、自分はいったいどのようなデブなのかを知ることから始めた。
脂肪は大別して2種類!「皮下脂肪」と「内臓脂肪」について
さて、どのようなデブなのか。と言われても、腹を中心に余分についた肉が目立つことに変わりはない。
身体についた余計な脂肪には大きく二種類あり、一つが「皮下脂肪」で、もうひとつが「内臓脂肪」である。どちらも落とすことができればいいのだが、どうもそう簡単ではないらしい。
「皮下脂肪」は体のあちこちに弛みを引き起こすようにつく脂肪で、全身に存在する。こちらは全身に満遍なくつき、いかにも肥満を感じる脂肪である。しかし、これは長年の生活で積もり積もった脂肪であり、狙い撃ちで落とすことが難しい脂肪である。減量が軌道に乗れば徐々にこちらの脂肪も減ってくるだろう。ということで、メインターゲットとはせずに徐々に減らすことを目標とする。
一方、「内臓脂肪」はその名の通り内臓の近傍につく脂肪である。身体への健康被害が大きいのはこの「内臓脂肪」である。
内臓脂肪は、摂取したものの使い切れなかった脂質が血液に乗って集まって蓄積するため、皮下脂肪よりも蓄積されやすい。しかも、溜まってきてお腹が張り始めるなどの症状が出ない限り、本人に自覚は無いからタチが悪い志望だ。しかし逆に、脂質が不足すればこの内臓脂肪を取り崩してエネルギーとして利用してくれるのだ。
ゆえに内臓脂肪は「溜まりやすいが減りやすい」性質を持った脂肪だと言えるだろう。いわゆる「ビール腹」のような体系は中年男性に見かけることが多いが、あれは典型的な内臓脂肪型肥満である。
「皮下脂肪」と「内臓脂肪」を比べた場合、皮下脂肪はそう簡単には落とせないが、内臓脂肪は比較的容易に落とせる。ということが分かった。一方の皮下脂肪は、狙った部位を落とすのは難しく、減量をしていく中で徐々に落としていくしかない。
また、毎年の健康診断で腹囲を計測されるが、この結果が例年「メタボ予備軍」である。皮下脂肪ももちろんだが、落としやすさを優先して、私はターゲットを「内臓脂肪」に決めた。
「内臓脂肪」を落とすために必要な「有酸素運動」の有効性
有酸素運動とは、ウォーキング、ジョギング、水泳など、「息切れしない程度の強度の高くない運動を長時間行う」運動の総称だと考えればいいだろう。そしてこれらの運動によるエネルギーは、主に脂質によって賄われる。
脂質とくればそう、あの内臓脂肪を取り出して燃やしてくれるわけだ。そしてこれらの中から気軽にできて効果の出そうなものは、ジョギングしかないだろう。ウォーキングでは負荷が少なすぎて時間がかかりすぎ、水泳はジム通いなど、行動までのハードルが上がってしまう。バランスがいいのはジョギングだ。
ジョギングをするといっても、5分で息が上がって立ち止まっては意味がない。有酸素運動は低強度の運動をじわじわ行って脂肪を燃やすことに意味があるからだ。最初の目標として定めたのは、約3キロのコースを設定し、そこを20分以上かけて走ることだった。20分走り、その後クールダウンとして20分ウォーキング。合計40分の有酸素運動を1サイクルでこなすことを目標とした。
有酸素運動の対になる運動として「無酸素運動」もあり、これは瞬間的な激しい強度の運動のことである。代表的な物として筋トレや短距離走などがあるが、これは減量に利用できないのか?という疑問だ。
結論からいえばもちろん利用できるが、有酸素運動ほど直接的に脂肪を燃やすものではないということだ。
無酸素運動は基本的に「糖質」をエネルギーに活動する。そのため、体内に蓄積された「脂肪」を直接燃やすわけではない。しかし、高強度の運動を行うことで、身体には筋肉がつく。筋肉がつくと、その分基礎代謝が上がるので、維持するために多くのエネルギーが必要となり、筋力を維持している限り、太りにくい身体になるとはいえる。そして何よりいいカラダになるので、余裕ができたらぜひ試してみたい。
運動以外の要素として「カロリー収支」も考慮する必要がある
基本的に減量は「カロリー収支」に素直に影響されると思えばいい。つまり、1日に食べる量が消費するカロリーより多ければ太り、逆なら減る。こんなごくごく当たり前の事なのだが、減量を始めるまではなんだかんだ理由を付けて目を背けていた事実である。
要は進行形でブクブクと太っているのならば、カロリー収支は摂取が多い側に傾いているはずだ。これを減量の方向に持って行くためには、食べる量を減らすか、消費量を増やすか。またはその両方ということになる。私は会社でよくアメを食べて空腹を紛らわしていたのだが、アメというのは恐ろしくカロリーの高い食べ物だ。砂糖の塊であるのだから当然なのだが。
まずこのアメを一切絶つことにする。また、飲み物もお茶かコーヒーのようなゼロカロリーのものしか会社では口にしない事にする。しかし、それ以外の朝食・昼食は一切制限しないことにした。ランチ大盛り無料!を我慢する必要はない。
朝食・昼食を制限しなかった理由は、まだまだその後多くの活動をするため、そこでエネルギーを抜けば仕事や生活に支障が出ると思ったからだ。しかし夜は違う。食った後は寝るだけである。
というわけで、帰ってきて茶碗に山盛りのご飯を盛りたい気分をぐっと我慢し、茶碗に3分の1程度にする。茶碗一杯(ご飯150g)で約240キロカロリーあると言われ、しかも白米は大半が糖質である。これを減らしたうえでジョギングをすることで、カロリー収支の改善を目論む。
ただ、完全に夕飯を抜いたりする方法はおすすめできない。夜も少ないとはいえエネルギーを消費しているし、そもそも続けることができなきゃ意味がないのだ。なのでまずは続けられるレベルで設定したところ、このレベルに落ち着いた。
3日坊主では意味がない。「継続」できる強度で続けることに意味がある
さて、これで方向性は決まった。
内臓脂肪を燃焼させるための有酸素運動はジョギングを行い、カロリー収支を考えて夜は控えめに食べる。これだけでどれだけ減量することができるのだろうか。しかし、減量にありがちなのが、目標を定めたのはいいが、どのように継続したらよいのかというところだ。
毎日仕事をしているにも関わらず、毎日ジョギングするというのは負荷が高く続けられそうにない。ということで、毎日ジョギングをするという選択肢はなかった。しかし週1回ではどう考えたって運動不足だろう。
というわけで、特段根拠はないが、最低週2回。頑張って週3回ジョギングすることを目指すことにした。これなら無理なく続けられるだろう。
そして、基本的にはこのペースで運動をするのだが、どうしても走れない時はある。そういう時はスパっと諦めて次のサイクルでやればいい。というルールにした。
やる気が弾けて0になるより、嫌な時は1回飛ばしてもいい。そのぐらいの考えの方が長続きすると思ったからだ。
人間、誰だって数値で結果が見えると嬉しくなるものである。まぁ時として数値は残酷な現実も突き付ける事になるのだが…。燃費でもなんでもそうだが、マメに記録をつけると、取り組むモチベーションは上がる。
さぁ、そんなこんなで、1年の戦いが始まったのだ。
1年やってみた結果
ではいよいよ結果発表である。まずどれだけ減ったかをせっかくなので前回の結果と比較してみる。
体重が79.2kgから69.5kgと、約1年で9.7㎏減。およそ10㎏の減量に成功した。
ではこの体重変化をアプリで記録したのが以下である。見てわかるように、派手に減量したのは主に最初の3か月である。それ以降も減量基調が続いているが、3か月で1~2キロといった緩やかな低下に落ち着いている。
アプリによる体重変化の記録である。開始を79.2kgとすれば、開始から3か月でおよそ8㎏の減量に成功している。
しかし、10か月目~12か月目の記録がない。体重でいえば69㎏台に突入したころ、この程度の運動では減量困難となったのか、体重計の数値がピクリとも動かなくなったのだ。
この頃から減量のモチベーションが下がり始め、運動をしても体重の記録をしない事が増え始めた。最終的に2022年12月の測定日には、69.5kgという体重でチャレンジを終える事になった。
前述の通り、減量しなくなってきていることから、この方法だけの減量では恐らく限界が来ており、このままこれを継続していてもこれ以上の減量は難しいだろう。
しかし、この生活はできるところまで続けてみようと思う。はるか昔に無くなってしまった運動習慣を取り戻し、健康診断も数値が軒並みよくなっていることを考えると、運動には健康維持の効果が強く認められるといえるだろう。
また、仕事中のアメ絶ちも慣れてしまえばたいした支障はなかった。空腹感があっても、「無ければ食べられない」ので、買い置きしておかなくなるだけで食べなくなるし、何より食べない事の習慣化で次第に苦にもならなくなってきた。これはこのまま続けたい。
適度な有酸素運動と夕食糖質カットのダイエットは効果てきめんだった
ここからはまとめになるが、結論としては今回取り組んだ有酸素運動(ジョギング)と夕飯の炭水化物(糖質)カットは、十分すぎる減量効果をもたらしたと言ってもいいだろう。
なお、体重以外の定性的な変化については以下のようなものがあった。
意外にも毎日顔を合わせる人からは「痩せた?」という反応はなく、遠方の人と久しぶりに顔を合わせた時に「だいぶ痩せた?」と聞かれた。
- スーツのウエストが緩くなった(劇的に)
- 顔が細くなった(1年前の証明写真とか改めて見るとひどい)
- 腰痛が減った(椅子に座った時の負荷が減った?)
- 息が上がりにくくなった